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ロンドン2023年12月 11日

デュイスブルクのティッセンクルップスチール向け連続鋳造機と熱間圧延機の建設に着工

  • 高張力鋼種の製造と、将来要求される生産条件への対応に向けた大規模な更新プロジェクト
  • 連続鋳造機に高度なレベル2オートメーションシステムを幅広く採用し、鋳造プロセスを最適化
  • インテリジェントアシスタントシステムを装備した近代的熱間圧延機がより速く安定し圧延

プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)がティッセンクルップスチール(thyssenkrupp Steel)のボフム拠点向けに納入した2スタンドリバースコールドミルの落成式の数日後、デュイスブルクにあるブルックハウゼン拠点で進行中である連続鋳造機と熱間圧延機の大規模プロジェクトの節目となる、連続鋳造機No. 4と熱間圧延機No. 4の予備組立開始を記念する式典が開催されました。

ティッセンクルップスチール Chief Operations Officer、 Heike Denecke-Arnold氏談

「当社の新設および改修する設備は、より高張力の鋼種、より高い精度、最適化された表面などを要求する市場のニーズ変化に応えるものです。設備更新刷新により柔軟性と可用性が向上する設備は、お客様の利益にもかないます。」

プライメタルズ テクノロジーズ Head of Electrics and Automation、Hans-Jürgen Zeiher氏談

「ドイツのライン・ルール地域だけでなく、ヨーロッパ全体にも大きな影響を与える非常に重要な本プロジェクトで、ティッセンクルップスチールと協力できることを大変嬉しく思います。この大規模な投資計画の3分の1近くを担当する当社の技術が、ティッセンクルップスチールの高張力鋼やその他の高級鋼種の急成長する市場への供給を確実なものにします。」

2021年、当社はティッセンクルップスチールより、リバースコールドミル1基、熱間圧延機1基、

厚板連続鋳造機2基を受注しました。ティッセンクルップスチールの更新計画の中心となるこれらの新設プロジェクトは2025年中にすべて完工する予定です。

ブルックハウゼンのプロジェクトでは、自動車産業やその他の急成長市場の厳しいニーズに対応できなくなっている既設の鋳造圧延一貫ラインを、更新する鋳造と熱間圧延のセクションに分離します。これにより、高張力鋼種と高級最終製品の高効率生産が可能になります。

先進の鋳造ソリューション

改造後の2ストランド連続鋳造機No.4は、先進的で包括的な機械およびオートメーションシステムを特徴とします。モールド幅調整システム「DynaWidth」は、迅速なスラブ幅変更を可能にします。「DynaFlex」油圧オシレーターは、モールド振動パラメーターを柔軟に調整し、スラブのストランド表面品質を向上させます。レベル2オートメーションシステムは、二次冷却セットポイントを最適に調整する「Dynacs 3D」、ストランドの冶金的性質を改善する完全自動ロールギャップ制御システムである「DynaGap SoftReduction 3D」、ブレークアウトを早期に検出し、プラントの稼働率を向上させる「Mold Expert」など、幅広いモジュールを備えています。

新設する2ストランド連続鋳造機No.3は、鋳造圧延ラインの改修が完工次第、既設の連続鋳造機No.1に置き換わります。

熱間圧延機の更新

熱間圧延機の更新には、熱をトランスファーバーに再放射し、仕上げ圧延機での圧延・曲げ力を増幅する特許取得済みの保温システム「Encopanel」が採用され、エッジクラックと材料の無駄が減少し歩留まりが向上すると同時に、高張力鋼やeモビリティ産業向け鋼種など、製品ポートフォリオが拡張されます。

新設連続鋳造機No.4とウォーキングビーム再加熱炉2基の後には、新開発でありながら実績のある、エネルギー効率の高さを特徴とするシングルスタンド4段リバース粗圧延機が設置されます。さらに、最初の仕上げ圧延機2基とストリップ冷却システムも更新されます。当社は包括的なレベル1とレベル2のオートメーションシステムも供給し、据付とスタートアップのためのアドバイザリーサービスも提供します。

最先端技術を取り入れた本オートメーションシステムは、インテリジェントアシスタントシステムで鋼板圧延を安定させます。例えば、オペレータが速度を変更するなど処理条件が変化しても、一貫した温度制御機能と、粗・仕上げライン全体にわたる高度な形状制御システムにより、生産に影響はありません。

ティッセンクルップスチールの年間粗鋼生産量は1,100万トン、世界での従業員数は約26,000人です。2030年までに年間500万トンのカーボンニュートラル鋼を生産するという目標を掲げており、遅くとも2045年までに、全生産品を完全なクライメイトニュートラル(ネットゼロ)にする予定です。

近代的な熱間圧延機1基の建設、連続鋳造機の改造1基と建設1基、ウォーキングビーム炉2基の新設など、ティッセンクルップスチールは、欧州における競争力強化のために着実に前進しています。(写真の著作権はティッセンクルップスチールに帰属)

式典にて。左から(TS: ティッセンクルップスチール、PT: プライメタルズ テクノロジーズ)

Head of Technology & Environment 、Harald Espenhahn氏(TS)

Head of Electrics and Automation、Hans-Jürgen Zeiher氏(PT)

Corporate Account Manager 、Olaf Meininghaus氏(PT)

Head of Downstream Operations、Andy Rohe氏(TS)

Head of Upstream Operations、Chris Lindner氏(TS)

(写真の著作権はティッセンクルップスチールに帰属)

プライメタルズテクノロジーズPrimetals Technologiesは本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。 

公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp