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ロンドン2024年1月 17日

画期的ソリューションで連鋳機モールドレベル制御が進歩

  • ネクストレベルの連鋳機設計の最適化に高度な数学的手法を活用
  • 不規則バルジングを50%削減
  • 製品の高い品質、鋳造高速化、生産性の向上を同時に実現
     

プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は数十年にわたり、連続鋳造機のロール形状を改良し、鋳造工程におけるモールドレベルの安定性を向上させる技術開発に取り組んでいます。 なかでも最新の技術は、設計段階で理想的なロール形状を確定する画期的なモデルです。

高速鋳造

このソリューションは、不規則に起きるバルジングと、バルジングが引き起こすモールドレベルの変動をシミュレートし、運転中に連続鋳造機がどのように動作するかを予測します。 この技術を用いてモールドレベルの変動を最小限に抑えるように設計された連続鋳造機の新規導入も、既設機の改良も可能です。 製品の高い冶金品質と高速での鋳造が同時に実現されます。

高品質な製品を生産するには、連続鋳造のプロセスが安定していなくてはなりません。 バルジングは一般的な現象で、ストランドが2つのロールの間を移動する際に、高温のストランドのコアにある溶鋼がスラブのシェルに押し付けられることで発生します。 このプロセスでは、モールドレベルの急激な変動が積み重なり、表面欠陥が発生したり、最悪の場合、溶鋼がシェルから流出するブレイクアウトが起きます。 バルジングが激しくなると、鋳造速度を落とさなくてはなりません。

より高い安定性と製品品質

不規則バルジングは、モールドレベルの偏り、モールド内での凝固、二次冷却ゾーンでのシェル成長などにつながる複雑な問題です。 新開発のこの技術は、これらすべてのパラメータを考慮するように設計されています。 高度な数学的手法であるフーリエ変換を利用した当社のこの革新的なソフトウェアツールは、対象となる鋼種、断面サイズ、鋳造速度などの幅広いパラメータを計算に含めることができ、 最適なロール形状の設定に必要な周波数スペクトルを特定します。

不規則バルジングを50%削減

このシミュレーションにより、連鋳機の据付前に、ロールピッチとロール直径を最適化することができます。 ロールピッチは、不規則バルジングを引き起こす主因のひとつであり、ロール形状とともに最適化することで、不規則バルジングは約50パーセント削減されます。 ここ数ヶ月間に、このソリューションの驚くべき成果が複数の製鉄所で繰り返し達成されています。

また、不規則バルジングの発生を最小限に抑えることで、 鋳造速度を下げる必要がなくなり、鋳造対象鋼種が包晶鋼やフェライト鋼まで広がります。 さらに、ストランドシェルがより滑らかになり、スラブ表面品質が向上します。

ロールの最適化は、当社製以外の既設鋳造機にも適用できます。

プライメタルズ テクノロジーズは、連続鋳造機据付前にロールピッチとロール直径を調整して連続鋳造プロセスを最適化するソリューションを開発しました。

最適化前(左側)とプライメタルズ テクノロジーズモデルによる最適化後(右側)のモールドレベル変動を比較。最適化前後での安定性の大きな相違を視覚化しています。 最適化前後での安定性の大きな相違を視覚化しています。上段のグラフ上の赤線で、標準偏差曲線の違いが見てとれます。

プライメタルズテクノロジーズPrimetals Technologiesは本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。 

公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp