• セントラルオペレーションコックピット（COC）により、複数の工場内セクションを一人のオペレーターが制御
• 生産工程における手作業の低減で、生産性の向上と、高品質な最終製品の高い再現性を実現
• 最初のCOC導入事例はティッセンクルップスチールのデュイスブルグ工場

プライメタルズ テクノロジーズ（Primetals Technologies）が開発した「セントラル オペレーション コックピット（Central Operation Cockpit: COC）は、工場全体を一箇所で制御できる非常に革新的なシステムです。オペレーターは、AIベースの多数のインテリジェントアシスタントにより、生産工程全体の状況を把握することができます。

当社は、ティッセンクルップ スチール（thyssenkrupp Steel）のデュイスブルク拠点にあるNo. 1 熱延機向けにCOC導入を受注しました。今年3月末までのプロジェクトフェーズ1では、同拠点の自律型化を目指し、ティッセンクルップ スチールの現在および将来のニーズに合わせたCOCシステムの運用コンセプトを設計しました。プロジェクトは現在、システムの実装であるフェーズ2に入っており、フェーズ2は2025年初頭までに完了する予定です。

複数の工場内セクションを制御

鉄鋼メーカーは、生産性を高め、製品の品質を向上させるために、生産工程での手作業を減らすソリューションに注目しています。一方、オートメーションシステムの数が増えると、監視プロセスがより難しく複雑になる可能性がありますが、COCはこの問題を解決します。

COCの直感的なインターフェースで、一人のオペレーターが複数の工場内セクションを制御することができます。必要な情報はすべて大型ディスプレイウォールに表示され、工場に配備された多数のカメラを瞬時に切り替えることができます。この切り替え機能は、多数あるアシスタントシステムのいずれかが緊急に対処すべき潜在的な問題を検出した場合や、ユーザー定義のイベントが発生した場合に特に有効です。また、COCは直感的な設定ツールを装備しており、鉄鋼メーカーのニーズの変化に応じてコックピットの拡張、刷新を簡単に行えるため、情報がオーバーフローするリスクはありません。

高度にカスタマイズ可能なディスプレイウォール

直感的でオペレーターフレンドリーなインターフェースは、三菱重工業と当社が共同で開発したインテリジェントビデオ管理システム「SynX Supervision」で動作しています。ディスプレイウォールは高度にカスタマイズ可能で、オペレーターは特定のアシスタントシステムやプラントのエリアに画面を割り当てることもできます。

COCは、多種多様なアシスタントシステムを統合し、プラントの高効率な操業に必要な情報すべてをオペレーターに提供します。一例として、「Ski Assistant」は生産中に発生した上反りを通知する当社のシステムですが、COCへのシームレスな統合により、オペレーターはアシスタントシステムが示す洞察に基づいて迅速に対応することができます。

2045年までにクライメイトニュートラル鋼を実現

ティッセンクルップスチールは26,000人の従業員を擁し、年間約1,100万トンの粗鋼を生産している、ドイツを代表する鉄鋼メーカーです。2030年までにCO2排出量を30％以上削減し、2045年までにクライメイトニュートラル鋼を生産するという目標を掲げています。この戦略には、スコープ1とスコープ2の排出、つまり、鉄鋼生産による直接排出だけでなく、購入エネルギーによる間接排出も含まれています。

プライメタルズ テクノロジーズのセントラルオペレーションコックピット（COC）は、一人のオペレーターでプラント全体を管理できる画期的なコンセプトです。