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Tandem pickling line

ロンドン2022年3月 24日

フェストアルピーネ向け連続冷間圧延ラインの連続酸洗冷間圧延ラインへの改造工事受注

  • 改造後のBETA3ラインの設計年間生産量は190万トン
  • 高張力鋼、超高張力鋼、高透磁率電磁鋼板向けにより最適化
  • 最新かつ最適化された電気および自動制御ソリューション
  • 先進のデジタル化規格に対応した完全自動制御コンセプト

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、フェストアルピーネ(voestalpine AG)の鉄鋼部門に属するフェストアルピーネ シュタール(voestalpine Stahl GmbH)から、オーストリア フェストアルピーネ リンツ製鉄所向けに、既設の連続タンデム冷間圧延(TCM)設備に連続酸洗を結合し、連続酸洗およびタンデム式冷間圧延(PL-TCM)設備に改造するプロジェクトを受注しました。工事内容には、主要機器設備とプロセス機器の供給およびそれらと既設設備の連結が含まれています。

 

品質の向上

第3冷間圧延設備に新設する完全自動PL-TCM設備により、フェストアルピーネは自動車、家電、建設業界向けの高張力・超高張力鋼や、電気自動車向けなどの電磁鋼板の品質を向上することができます。設計年間生産能力は約190万トンで、最新のデジタル化規格に対応した完全自動運転が実現されます。稼働開始は2023年末を予定しています。

プロジェクトの全容

このプロジェクトは、リンツにある第3冷延設備の既設TCM設備に、酸洗とトリミングのセクションを追加するものです。当社は、エンジニアリング、機器設備供給(テンションレベラーなど主要プロセス機器を備えた鋼板通板セクション、アキュムレータエリア(ルーパーセクション)、誘導加熱式エッジヒーター付サイドトリマー、鋼板検査システム、電気および自動制御機器)、据付けおよび指導を担当します。新しいPL-TCM設備は、板厚1.5〜6.0ミリメートル、板幅最大1,770ミリメートルの鋼板を処理します。仕上げの板厚は0.5〜3.0ミリメートルで、電磁鋼板の場合は0.3ミリの薄さまで圧延します。

最適なレイアウトコンセプト

2008年の建設段階で、当社は将来的に酸洗タンデム設備への拡張を視野に入れ、ライン全体のレイアウトを構成しました。熱間圧延材を受け入れる既設入側エリアの改造は、通常の操業・保守スケジュール中に実施します。新設スケールブレーカー前のエリアでは、既設のコントロールロールで既設と新設鋼板通板エリアの切り替えを行います。このレイアウトにより、既設のタンデム圧延機を稼働させながら、新しいセクションの建設を進められます。また、既設と新設のセクションの連結のための操業停止時間も短くて済みます。既設の基礎部分の変更を最小限にし、既設の主要機器を標準化して再利用する設計となっています。

板厚公差の改善

既設の入側エリアには、スクラップ除去装置や新しくコイルブレーク防止ロールを含むコイルの前処理設備が追加されます。プロセッサー(ベンドストレートナー)が入ってくる熱延鋼板の平坦度を向上させ、酸洗効率を高めるためにライン速度を毎分270メートルまで増速します。ターレット式サイドトリマー、誘導加熱式エッジヒーター、エッジ・ストリップ検査装置を備え、最大速度は毎分380メートルです。エッジヒーターはトリミングを安定させ、特に電磁鋼板に効果を発揮します。既設の5スタンド4段式タンデム冷間圧延機は、最大速度毎分1,000メートルを達成しています。3番スタンドの後ろに設置された新しい板厚計は、新設の制御装置との組み合わせにより、ストリップの板厚公差を改善します。

総合的な設備更新

このプロジェクトでは、第3冷延設備の電気および自動制御システム全般を更新します。既設のマルチプロセッサ制御システムは最新に更新し、制御装置、制御電子機器、安全スイッチギアを交換し、上位機能を最新のプログラマブルロジックコントローラー(PMC)に移行します。オペレーティングシステムのアップグレード、レベル1デバイスライブラリとレベル2プロセスモデルのアップグレードと最適化も行います。また、自動制御システムは、既設と新設の設備構成の同時運転に対応します。HMIはワイドスクリーンを導入します。

電気および自動制御システムは既設設備に統合され、新設される酸洗設備の主幹制御を実現します。さらに、690ボルトの速度制御ドライブ用のDCバスバーと、主幹制御用ドライブの低電圧システムも設置されます。プログラマブルロジックコントローラ(PLC)には、テンションレベラー制御、サイドトリマー、Sブロック、アキュムレーター(ルーパー)、ストリップ検査機能、テンション制御および主幹制御機能など、追加の自動制御機能が組み込まれます。酸洗セクションはレベル2インターフェースで接続され、共通のオペレータインターフェースに統合されています。

Pickling tandem line

オーストリア フェストアルピーネ リンツ製鉄所の第3冷延設備更新イメージ(左:タンデム式冷間圧延設備、中央:鋼板通板エリア、右:入側エリア)プライメタルズ テクノロジーズは、主要機器設備、プロセス機器、設備の連結を担当します。

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、 及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp