ロンドン2023年2月 09日

ドイツ、HKM向けカスタマイズリライニング設備を受注

• 安全性と労働衛生を向上させるオーダーメイドソリューション
• レンガ用自動リフトとロボットマニピュレーター
• リライニング設備の取り付け・取り外しの自動化
• 2024年夏に稼働開始予定

プライメタルズ テクノロジーズ（Primetals Technologies）は、ドイツの鉄鋼メーカー、ヒュッテンベルケ クルップ マンネスマン（Hüttenwerke Krupp Mannesmann、以下HKM）向けLD転炉（BOF）リライニングマシ設備を受注しました。この設備は、ドイツ、デュイスブルクのHKMの製鉄所にある30年前の旧式モデルを置き換え、2024年6月に稼動を開始する予定です。

今回の受注は、HKMのニーズに沿って最適化したテーラーメイド設計と、スタッフ専用エレベーターやレンガ搬送ソリューションなどをお客様ごとにカスタマイズした、最近のリライニング設備プロジェクトの成功事例が主な理由です。当社は、リライニング設備の設計、製造、据付、操作トレーニングを行います。

労働衛生の改善

当社は、人間工学に基づく最新技術、スタッフ専用エレベーター、自動化された作業プラットフォームなど、HKMのニーズを満たす最適なリライニングソリューションを総合的に検討しました。

このソリューションの特徴の一例として、転炉体の内部で作業員がレンガを持ち上げる必要がなくなったことが挙げられます。2基のマガジンリフトがデパレタイジングステーションから転炉までレンガを半自動システムで搬送し、ブリックマニピュレーター（アーム状のロボット装置）が、マガジンリフトから伸縮するローラーテーブルにレンガを自動的に乗せていきます。

作業員がレンガを持ち上げるのではなく、このロジスティクスシステムがレンガを最終的な位置に貼りつけていきます。また、作業員はスタッフ専用エレベーターでリライニング作業プラットフォームに簡単にアクセスできるようになっています。

きめ細かな安全システム

きめ細かな設計の安全システムがリライニング作業の労働安全性を高めます。例えば、スタッフ専用エレベーターに技術的な問題が発生した場合の緊急措置ソリューションが導入されます。また、停電時に使用する非常用電源装置も設置します。

この設備は、HKMの可動式転炉のリライニングに使用されます。リライニングは、別のリライニングスタンドで行われます。転炉が所定の位置に設置されると、リライニング設備が取り外し可能な底部から挿入されてリライニングを行い、完了後、設備は格納時の形状になり、所定の格納場所に簡単に移動できます。

設計とテストは、主要なサプライヤーやパートナーと協力して、オーストリアで行われます。コンポネントの製造が完了すると、設備は工場で事前に組み立てられてテストされ、その後ドイツに輸送されます。

ジョイントベンチャー

ザルツギッター、ティッセンクルップ、バローレックによるジョイントベンチャーであるHKMは、約3,000人の従業員を擁し、溶鋼の年間生産量は400万トンです。デュイスブルクに持つ一貫プラントで加工産業向けの中間製品を生産しています。

HKM向けリライニング設備の主な構成

• トラクションドライブおよび横方向スラスト機構を備えたベースフレーム
• 高さ調節可能な回転式作業台
• 自動拡張可能なプラットフォームエクステンション
• スタッフ専用エレベーター
• 耐火レンガ供給およびデパレタイズステーション
• 最大10個のレンガを収納する自動レンガマガジンリフト
• 作業台上のローラーテーブルを含むブリックマニピュレーターソリューション
• 自動化システム
• 非常用電源装置

レンガを扱う作業の自動化ソリューションを搭載したプライメタルズ テクノロジーズ製HKM向けリライニング設備

プライメタルズテクノロジーズ（Primetals Technologies）は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。　

公式ウェブサイト：https://www.primetals.com/jp