ニュース&プレスリリース
ロンドン2015年11月 10日
Primetals Technologies が欧州 SSAB 社へ納入の LD(BOF) 転炉初号機が運転開始
- 最適化された転炉設計により生産性が向上
- メンテナンスフリーの転炉サスペンションで耐用年数を延長
- 新型転炉向けに再設計された上吹ランスと Vaicon スラグストッパー※1で鋼材の品質を改善
Primetals Technologies が、SSAB Europe 社のフィンランド・ラーヘ製鉄所向けに納入した 3 基の LD (BOF)転炉のうち初号機が、10 月より運転を開始しました。この新型転炉は、既設転炉の設置面積を ほとんど拡大することなく、処理容量増大を実現。転炉にはメンテナンスフリーの Vaicon Link 2.0 サ スペンションシステム※2を採用し、熱変形による応力を最小限に抑えるとともに、耐用年数を延長して います。新型転炉の形状に合わせて先端が再設計された上吹ランス、底部撹拌、およびスラグストッパ ーにより、生成される鋼材の冶金的性質を向上させます。さらに、新たなコンセプトに基づく耐火物を 導入することで、転炉内壁の長寿命化を実現。残る 2 基は 2016 年 8 月までに順次運転を開始する予定 です。
SSAB Europe 社が属する SSAB グループは、建材用鋼材をはじめ、AHSS や焼入れ焼戻し鋼(QT 鋼)、帯 鋼、鋼板、管製品を生産する大手鉄鋼メーカーです。同グループの年間鉄鋼生産能力は 880 万トンに上 り、スウェーデン、フィンランド、米国に生産プラントを保有。ラーヘ製鉄所は 2 基の高炉、3 基の LD 転炉、二次精錬設備、3 基の連続鋳造機で構成される北欧最大の生産施設で、年間最大 260 万トンの鋼 材を生産・鋳造可能です。
当社は、出鋼重量が各 125 トンの既設の転炉 3 基を、取り外し可能な底部と底部撹拌装置を備えた新型 転炉に置換していきます。転炉形状の最適化により、処理容量の増大だけでなく、転炉内壁の耐火設計 の刷新と長寿命化を実現。当社は、炉体、トラニオンリングの供給ならびに Vaicon Link 2.0 サスペン ションシステムのエンジニアリングを担当。転炉には Vaicon スラグストッパーを設置し、出鋼時のス ラグ流出を最小限に抑制しています。上吹ランスの先端は、新型転炉の形状に合わせて再設計されてお り、吹き付けプロセスの改善と生成鋼の冶金的性質の向上を実現。また当社は、事前組み立て、据付、 および試運転の指揮・管理も担当しています。
※1Vaicon スラグストッパー: 炉底に設けられた出鋼孔(タップホール)の閉塞機構(ストッパー)で、溶鋼を排出する際に、出鋼終 了間際のスラグ混入防止用のスラグセンサーを備えた当社独自の機構。 ※2Vaicon Link 2.0 サスペンションシステム: トラニオンリングと炉体を固定している H 型のリンク。溶接の必要性がなく、組み立てが簡単で、トラ ニオンリングの裏側に装着されるため、耐用年数も延長。特許を取得したリンクの配置が負荷を均一に することで、熱による変形や膨張を防ぎ、完璧なサスペンションと柔軟性を両立。また、最小のスペー スでの転炉の回転動作を可能にします。また、耐用期間はメンテナンスフリーです。
SSAB Europe 社のフィンランド・ラーヘ製鉄所の LD(BOF)転炉(Primetals Technologies 提供)
Primetals Technologies, Limited は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリングやプラント建設全般の、世界的 リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービス の一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重 工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメンス VAI メ タルズテクノロジーズ社の合併により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。発足時の従業員数は全世界 で約 9,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com