ニュース&プレスリリース
ロンドン2015年12月 15日
Primetals Technologies、豪 OneSteel(ワンスチール) 社の線材圧延機を近代化
- 水冷設備とレーイングヘッド* 1の刷新により、稼働率向上、保守削減および製品品質向上を実現
- 小径線材製品の圧延は 10%以上高速化
- コイル高さを抑え、よりコンパクトなコイル形状を実現
- 新しい SR Series*2レーイング技術を投入
Primetals Technologies は、オーストラリアの OneSteel Market Mill 社(ワンスチール マーケット ミル)から同社ラバートン製鉄所の線材圧延機近代化工事の最終検収書を受領しました。水冷設備とレ ーイングヘッドの刷新により、小径線材製品の生産高速化を実現。近代化の総合効果により、本圧延機 の市場競争力は格段に強化される見込み。
水冷設備の刷新では、分割ノズルを搭載した Morgan 方式水冷ボックスシステム 3 基を装備し、パスラ インを確実に調整できるヘッダー設計を採用。各水冷ボックスのスキッドに取り付けられたバルブには 高速の切替弁が装備され、コイルの未冷却部分を最小限に抑制します。水冷プロセスの制御には、対象 製品に応じた冷却レシピを内蔵した閉ループ方式の高度温度制御システム Enhanced Temperature Control System(ETCS)を投入。水冷設備のレイアウトでは、将来ニーズに備えて水冷ボックスを追設 できるように計画しました。レーイングヘッドの刷新では、SR Series の線材送出用パイプ技術を採用 した新設計のパイプ支持装置を導入。
4 週間という短期のミル停止期間で、新型水冷ボックスと刷新されたレーイングヘッドの設置を完了し、 運転開始直後から性能向上を実現しました。水冷ボックスの冷却性能向上によりレーイングヘッドの温 度上昇を抑制できたことで、加工された線材表面の酸化スケール生成が抑えられ、下流工程でのスケー ルによるロスは平均で 35%削減。ノズルの交換サイクルは 4 サイズから 2 サイズへと減少。ETCS により、 線材先端の未冷却部分の低減とコイル全体の均一な温度コントロールを実現したことで、全体の歩留ま りが向上しました。
本ミルでは小径製品の圧延速度が増加し、5.5 mm 径の線材は毎秒 90 m から 102 m に、6.0 mm 径の線材 は毎秒 90 m から 100 m に高速化。冷却コンベヤー上に成形されるリング形状の均一性も大幅に改善し、 近代化工事後はコイル高さが 50~100 mm 低くなり、よりコンパクトな形状の製品コイルとなっている。
OneSteel 社はオーストラリアの主要条鋼メーカーで、オーストラリアおよびニュージーランド地域で一 流の鋼材卸売会社です。一貫製鉄所としてオーストラリアの鉄鋼産業で大きな影響力を持ち、熱間圧延 による構造用形鋼、レール、線材、棒鋼、ワイヤー、構造用鋼管、RHS 製品をはじめとする幅広い鋼材 製品を製造・販売しているほか、薄鋼板の切板とコイル、厚鋼板、アルミニウム製品を販売しています。
SR Series は、Primetals Technologies の登録商標です。
Primetals Technologies のレーイングヘッドから送り出されるコイル
*1:レーイングヘッド:Laying head. 線材送り出しヘッド。線状になった鋼材をリング状に成形して 送り出すヘッド。送出口。
* 2 :SR Series パイプ:線材送り出し用特殊パイプで、Primetals Technologiesga が供給する耐久力の高 い製品。
Primetals Technologies, Limited は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリングやプラント建設全般の、世界的 リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービス の一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重 工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメンス VAI メ タルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。発足時の従業員数は全世界 で約 9,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com