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ロンドン2024年6月 12日
新設「MULPIC」 がより高い張力の鋼種生産を可能に
- インドで厚板ステッケルミルの冷却高速化を目指し、既設のラミナー冷却システムを置き換える長さ12メートルのMULPICラインを導入
- 製品品質の向上とパイプライン向け製品ポートフォリオの拡充を実現
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)はインドにて厚板ステッケルミル向け多目的断続冷却システム「MULPIC」(Multi-Purpose Interrupted Cooling: MULPIC) の据付および試運転を完了し、最終検収証(FAC)に署名しました。 「MULPIC」は、「インライン」厚板冷却システムを採用し、厚板の様々な寸法に応じて冷却速度と温度降下の調整を行います。
この改良により、厚板ステッケルミルで生産できる製品範囲が拡大され、石油・ガス産業など要求が最も厳しい市場にも対応するパイプライン用の高級鋼種がラインナップに加わりました。
製品品質の向上
「MULPIC」は、機械設備とスマートプロセス制御技術を組み合わせた、インライン統合型鋼板冷却システムのメカトロニクスパッケージです。 大流量に対応する高精度バルブで構成されるこのシステムは、 高密度の水ノズルや高度な流量制御バルブを備えたアクチュエーター、さらにクラウンやエッジのマスキング制御機能も特徴としています。 「MULPIC」はまた、幅広い板厚範囲に適用される加速冷却と直接急冷の両方の機能を備えており、優れた冷却性能を確保し、鋼板の長さと幅に沿って均一で制御された温度を維持します。 これにより、平坦度が向上し、機械的特性が均一化され、 製品品質が向上します。
製品ラインナップの拡大
既設の層流冷却システムを「MULPIC」にアップグレードしたことで、厚板ステッケルミルは冷却水のより高い流量密度と冷却速度を達成しました。 その結果、板厚10~30ミリメートル、幅4,500ミリメートルまでのX70などの高張力鋼種を、優れた温度均一性と平坦度で処理できるようになりました。
この高度な冷却方法は熱を迅速に除去し、冶金技術者が新しい市場に参入するための新しい合金を設計する際の柔軟性を高めました。 さらに、無駄のない合金化によって操業コストを削減します。
オンライン鋼板冷却技術「MULPIC」
プライメタルズ テクノロジーズは、長さ6メートルの2つの冷却バンクからなるインライン鋼板冷却システム全体を設計・納入しました。 各バンクは6つの上部ヘッダーと6つの下部ヘッダーで構成されています。各ヘッダーの高さは500~1200ミリメートルの範囲で調整可能で、プレート1枚1枚を超精密に冷却します。 上部と下部のヘッダーはステンレス製で腐食に強く、長い耐用年数が保証されます。 さらに、「MULPIC」は、ミル全体の炭素排出量を最適化するよう設計されています。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp