ニュース&プレスリリース
ロンドン2024年9月 19日
HyREX直接還元プラントに関する協力協定をPOSCOと締結
- 「HyREX」は低炭素溶銑を生産する新技術
- 水素ベースの直接還元プロセス
- 焼結原料を直接利用
- 電気製銑炉でDRI微粉を溶解
2024年7月22日、プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、HyREX実証プラントの設計と実施に関してPOSCOと協力協定を締結しました。 2022年に調印された覚書に基づき、両社は現在、韓国浦項市のPOSCO敷地内でプラントを建設しています。 このプラントの主な目的は、費用対効果が最も高いプロセスパラメーターを特定しながら、生産プロセスの詳細を試験および検証することです。
世界中の鉄鋼業界は二酸化炭素排出量の削減を目標としています。HyREXによる水素ベースの直接還元プロセスは、炭素集約型の高炉に代わる技術です。
HyREXプロセスの概要
HyREXは、FINEX直接還元プロセスと電気製銑炉(electric smelting furnace: ESF)を組み合わせた、溶銑生産の新しいプロセスです。 プライメタルズ テクノロジーズとPOSCOは、1992年にFINEXの開発を開始しました。 FINEXは、カスケード状に配置された流動床反応器で鉄鉱石から直接還元鉄(DRI)を生産します。 FINEXプロセスが石炭ガス化工程からの還元ガスを利用するのに対し、HyREXは水素を還元ガスとして使用します。 高温のDRIはESFに移送され、最終還元工程である溶解、加炭、スラグ形成が行われます。生産される溶銑は高炉からのものと同質ですが、炭素排出量は大幅に削減されます。
HyREXプラントの概要
産業規模のHyREX実証プラントの主要構成設備は、鉱石乾燥機、カスケード状に配置された流動床反応器、高温DRI輸送システム、ESF、除塵システム、出銑設備、スラグ粒化設備です。 高炉ベースの製銑に代わることを主眼とするHyREXは、焼結原料の使用もできるため、環境負荷の高い焼結工程とコークス工場が不要となります。 HyREX技術はまた、世界で入手可能な鉄鉱石品位の50%以上が使用可能です。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp