ロンドン2021年11月 23日

福建鼎盛鋼鉄で EAF Quantum とアルベディ社 ESP を組 み合わせた環境配慮型ミニミル稼働開始

• 環境負荷が最小のミニミルが初の稼働
• 従来の生産方式と比べ CO2を 85%削減
• 商品となるコイルを一度の加熱で直接生産
• 冷延プロセスの省略により CO2をさらに削減

中国の鉄鋼メーカー、河南亚新鋼鉄鋼鉄集団有限公司 （Henan Yaxin Steel Group Co., Ltd. 以下、河南 亚新鋼鉄）が同社福建鼎盛（Fujian Dingsheng）プラントで、新型電気炉 EAF QUANTUM 2 基とアルベ ディ社 ESP１基を組み合わせた環境配慮型ミニミルの稼働を開始しました。電気炉の最大出鋼量は各 115 トンです。このミル構成は、従来の生産方式と比べて CO2を 85%削減します。アルベディ社 ESP の年間生産量は 250 万トンで、板厚 0.8 ミリメートルの薄さに圧延します。これにより、河南亚新鋼鉄 は冷間圧延プロセスを経ずに生産した高品質で、一度の加熱で直接生産された極薄コイルの市場投入が 可能となります。

これは世界初の、新型電気炉 EAF Quantum とアルベディ社 ESP を組み合わせた環境配慮型ミニミルで す。鋼板生産の消費電力が非常に少ないため、CO2排出量と操業コストを削減します。新型電気炉 EAF Quantum により、既存の生産工程から、より環境に適合した電気製鋼への移行が促進されます。アルベ ディ社 ESP は鋳造時の熱エネルギーを利用して最初の圧延工程を行います。誘導加熱装置により最小 限の電力で仕上げ圧延工程の熱エネルギーを保持するため、アルベディ社 ESP からの CO2排出はゼロ です。

アルベディ社 ESP の優れた技術が一度の加熱でのコイル生産を可能にしました。エンドレスモード試 運転でコイル 13 本が生産されました。プラントは安定したエンドレスモード運転を行い、直接熱間圧 延による極薄鋼板を生産しました。

これらの製品が国内外の成長する高品質極薄鋼板市場における河南 亚新鋼鉄のプレゼンスを高めます。

河南亚新鋼鉄は、年間生産量約 1,000 万トン以上の民間企業で、中国の 5 つの省や市においてコンパク トな 一貫製鋼プラントを運営しています。当社は、新型電気炉とアルベディ社 ESP の主な機械・電気 設備を供給しました。残りの 周辺設備およびサービスは、現地の設計機関が供給しました。

当社が開発した新型電気炉 EAF Quantum は、実績のあるシャフト炉と革新的なスクラップ装入プロセ ス、高効率予熱システム、新しい傾動方式を持つ下部容器、最適化された溶解システムを装備し、溶解 間隔の大幅な短縮を実現します。従来の電気炉に比べ電力消費量が大幅に低減され、電極と酸素の消費 量低減もあいまって、全体で約 20％の処理コストの低減ができます。全体の CO2排出量も、従来の電 気炉に比べて粗鋼 1 トン当たり最大 30％削減できます。

ESP プラントは全長 180 メートルで、従来の鋳造圧延設備に比べてはるかにコンパクトな設計となっ ています。この新プラントでは、最大幅 1,600 ミリメートル、最小板厚 0.8 ミリメートルの高品質な極 薄熱延鋼板を年間 250 万トン生産します。炭素鋼、高強度低合金（HSLA）鋼、二相鋼は、冷延工程が 省略され、冷間圧延相当品として生産されます。直接熱間圧延は、不要な生産工程を省くことで、単一 工程だけでなく製鋼ルート全体を最適化し、エネルギー消費量と CO2排出量を削減します。

プライメタルズテクノロジーズのミニミルによる直接熱間圧延で、一度の加熱で生産 されたコイル

プライメタルズ テクノロジーズ （Primetals Technologies, Limited）は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリン グ、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタ ライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる 分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ 会社で、従業員数は全世界で約 7,000 人です。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト：https://www.primetals.com/jp.