ニュース&プレスリリース
ロンドン2022年4月 06日
東京製鐵岡山工場向け連続酸洗設備の更新工事完工
- 電炉鋼鋼板向けポリプロピレン製 i Box 酸洗設備初号機の完工
- 高張力鋼対応スケールブレーカー/ 50 トン・テンションレベラーの採用
プライメタルズテクノロジーズは東京製鐵株式会社岡山工場向け酸洗設備の更新工事を完工致しまし た。この工事は既設酸洗設備を酸濃度制御付きポリプロピレン製の新型酸洗槽である i Box 酸洗槽(以 下、PP 製 i Box 酸洗槽)へ更新し、さらに高張力鋼対応 50 トン・テンションレベラー式スケールブ レーカーを追設したものです。i Box 酸洗設備は、高炉鋼向けに国内外 23 プラントの納入実績を持つ 省エネ型高効率酸洗設備で、今回の東京製鐵岡山工場向け完工によって電炉鋼においても高炉鋼同様 のホットスケール酸洗除去能力とエネルギー消費量の削減を達成しました。
酸洗槽の更新は、1995 年に岡山工場で稼働した内張耐酸煉瓦製クロスインジェクション式酸洗設備を 撤去し、保温性に優れた PP 製 i Box 酸洗槽に置き換えたもので、クロスインジェクション方式の循環 ポンプを使用することなく酸洗能力を向上させたものです。PP 製 i Box 酸洗槽は、槽内に浸漬ボック ス(immersion box)を配置し、鋼板をロールとスキッドでガイドしながら浸漬ボックス内を搬送させ、 浸漬ボックスで形成した矩形狭流路で強いせん断流が発生し高い酸洗能力を得るものです。更に PP 製 i Box 酸洗槽酸濃度制御 ACCS(Acid Concentration Control System)は、当社独自のアルゴリニズム によって脱スケール分布と各槽の酸洗反応を予測計算し、各槽給酸流量をフィード・フォワード制御 するシステムを採用しています。本酸洗設備は板厚 1.5 mm~6.0 mm、板幅 840 mm~1,340 mm の酸 洗処理を行います。
東京製鐵は日本国内に 4 つの工場を持つ電炉鋼メーカーで、H 形鋼の生産においては 8 年連続トップ シェアの日本国内最大手メーカーです。製品は H 形鋼から、厚板、ホットコイルまでの多種電炉鋼製 品を揃えています。経営ビジョンとして、環境に優しい製品づくりに重点を置いた長期環境ビジョン 「Tokyo Steel EcoVision 2050」を策定し、「循環型社会」と「脱炭素社会」の実現に貢献することを 経営方針とし、SDGs資源リサイクルの最前線で産業界をリードする企業です。
当社酸洗設備はプライメタルズテクノロジーズジャパンの前身で親会社の三菱重工業株式会社広島造 船所が 1954 年に日本鐵板大阪製造所(現在の日本製鉄瀬戸内製鉄所(大阪))への初号機納入から設 備開発と改善を積み重ね、国内外での総導入数は 100 プラントを超えています。
ポリプロピレン製 i Box 酸洗設備/設備更新後(2022 年 2 月 9 日撮影)
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プ ラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライ ゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分 野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ 会社で、従業員数は全世界で約 7,000 人です。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp.