ニュース&プレスリリース
ロンドン2024年7月 09日
低炭素排出型プラントについてBlastr Green Steelと技術提携
- Blastr Green Steelは年産250万トンのグリーンスチールトップメーカーを目指す
- プライメタルズ テクノロジーズが、DRIプラント、Arvedi ESPライン、電気製鋼設備、連続酸洗・亜鉛めっきラインの技術パートナーに選定
- DRIプラントはMidrexテクノロジーズとプライメタルズ テクノロジーズが共同で提供
- プライメタルズ テクノロジーズの革新的なデジタルおよびAIベースのソリューションが自律的な操業を保証し、生産性の最適化と高い最終製品品質を実現
- このプロジェクトは、フィンランドで1,000人の直接雇用と4,600人の間接雇用を創出
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、Blastr Green Steel(Blastr)が、フィンランド、ヘルシンキ市近郊インクーに建設する、年産250万トンの製鉄コンプレックス開発の技術パートナーに選定されました。 2021年にオスロを拠点に設立されたBlastrは、グリーンスチール生産の新たな基準を打ち立てることをミッションとしています。 製鉄所と統合水素製造施設を包有するこのコンプレックスは、フィンランド国内で約1,000人の直接雇用と約4,600人の間接雇用を創出します。
金属鉄鋼産業向け環境・エネルギー効率ソリューションのマーケットリーダーであるプライメタルズ テクノロジーズが提供する数々の革新的なソリューションにより、新施設は最新の業界基準を確実に満たします。
Blastr Green Steel CEO Mark Bula氏談 「このパートナーシップは、持続可能な鉄鋼生産と鉄鋼バリューチェーンの脱炭素化に向けた当社の取り組みにおいて、重要なマイルストーンとなります。業界のリーダーと当社の強みを組み合わせてイノベーションを推進し、鉄鋼生産の未来を形作る準備が整いました。」
DRIプラントと300トンEAF Ultimate
100%グリーン水素を燃料とする MIDREX H2 プラントは、Midrexとプライメタルズ テクノロジーズのコンソーシアムが提供します。 Blastrがこのプラントで生産し、製鉄所で炉に直接装入される高温状態の直接還元鉄(Direct Reduced Iron: DRI)と、ホットブリケットアイア ン(Hot Briquetted Iron: HBI)は極低炭素鋼原料であるため、他のバリューチェーンの脱炭素化も可能にします。
Midrex President and CEO、K.C. Woody氏談 「当社はBlastrのDR技術としてMIDREX H2が採用されたことを大変喜ばしく思っています。
100%水素ベースのHDRIとHBI製造の組み合わせにより、Blastr Green Steelは欧州の製銑・製鋼の脱炭素化において重要な役割を果たすことになります。」
プライメタルズ テクノロジーズは、高温状態のDRIを直接装入するために設計され、短い出鋼間隔、完全自動運転、高度な制御システムを特徴とする300トンの EAF Ultimateを備えた電気製鋼設備も供給します。 また、取鍋炉とRHプラントで構成される包括的な二次精錬工程も計画されています。 この二次精錬工程により、Blastrは要求の厳しい自動車部門向け最高品質の鋼種を生産できるようになります。
プライメタルズ テクノロジーズ上流部門責任者 Andreas Viehböck氏談
「生産工程はデジタル技術で強化され、ロボット技術の活用を特徴としています。遠隔操作のための先進的なソリューションの採用でこのプロジェクトの最優先事項である労働安全性を向上させ、最高レベルの自律的操業を実現します。」
Arvedi ESP - 最もエネルギー効率の高いプロセス
このパートナーシップには、Arvedi ESP 薄スラブ鋳造・熱間圧延ラインと、多岐にわたる産業用途向けの様々な塗装鋼板や熱延鋼板を生産する最新鋭の連続酸洗・亜鉛めっきラインも対象となります。
Blastr Green Steel Chief Technology Officer、 Mikael Lindvall氏談 「Blastrの極めて低いCO₂排出目標達成には、鉄鋼生産からの直接CO₂排出が正味ゼロとなる技術が必要です。ガス式リフォーマー/ヒーターの代替として電気ヒーターを採用したMIDREXプラントと、カーボンニュートラルな薄スラブ鋳造・熱間圧延プロセスとして公式に認証されたArvedi ESPテクノロジーは、当社の野心的な排出目標を達成するためには必須の重要技術です。」
デジタル化を特に重視
プライメタルズ テクノロジーズは、生産とエネルギー管理の最適化、包括的に品質管理を行うデジタル化ソリューション、完全なプロセスオートメーションシステムを含む、電気・オートメーションの範囲も担当しています。 最新鋭の総合グリーンスチール生産設備の新設は、サプライヤーに大きな期待がかけられるプロジェクトです。 中でも、迅速な学習と評価を特に必要とするオートメーション ソリューションへの期待は大きなものです。
プラントのコンセプト開発段階では、可能な限り高いレベルの自律的操業の実現に向けて、デジタル化、ロボット技術、AI、遠隔操作のための高度なソリューションの利用強化に特に重点が置かれました。 その結果として高いレベルの労働安全性と最適化された生産工程が確立されるため、フル生産能力へのスケールアップが早期に行われ、プロセス合理化が操業開始時点でなされます。 さらに、セントラルオペレーションコックピット(COC)に統合された多数のAIベースのデジタルアシスタントシステムから、オペレーターはプラントの効率的操業のために必要なすべての情報を得ることができます。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp