ニュース&プレスリリース
ロンドン2021年2月 09日
中国、常州東方特殊鋼向け転炉排ガス超低排出技術プロ ジェクトを完工
- 転炉の一次ガス清浄に新しい湿式電気集塵装置システムを適用
- 排ガスの煤塵成分を1立方メートルあたり約 5 ミリグラムまで削減
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は中国江蘇省にある常州東方特殊鋼有限公 司(以下、常州東方特殊鋼)向けに湿式電気集塵装置(WESP)技術に基づいた高度なガス清浄システ ム設置工事を完工、最終検収書(FAC)を受領しました。これは本ガス清浄システム設置の初プロジェ クトで、80 トン転炉 2 基のプラントに対して煤塵排出上限 10 mg/Nm³という省政府の非常に厳しい条 件を満たして遂行されました。当社は、最小限のスペースで高いパフォーマンスを求めるお客様の要求 に応えるソリューションを開発しました。本プロジェクトは 2019 年 2 月に契約され、2020 年 3 月に両 転炉ラインの試運転を行いました。同年に行われたパフォーマンステストでの排出量は約 5 mg/Nm³で 制限量を大きく下回り、常州東方特殊鋼より最終検収書を受領しました。
この新しく開発された超低排出技術は、電気集塵による排ガスからの粉塵除去に基づいています。湿式 電気集塵装置は数十年にわたって鉄鋼業界で使用されていますが、有毒性や爆発性のある排ガスを伴う BOF プロセスの特殊な性質とバッチ式の操業に対する新しい特別な設計が必要でした。
WESP は、既存の湿式ガス清浄プラントと ID ファンの間に配置されています。煤塵排出量を制限量ま で下げる入念な清浄処理はすべて WESP で実行されるため、既存のガス清浄プラントの改造が不要で あることもメリットです。同時に、排ガスが ID ファンに入る際にはすでにクリーンな状態になってい るため、ID ファンの定期的な清掃やリバランシングといったメンテナンス作業が大幅に削減されます。 このプロジェクトで、当社は既存のガス清浄システムに WESP 動作に関わる特殊技術パッケージも 2 つ導入しました。爆発リスクを最小限に抑えるプロセス安全性モジュールと、ID ファンの消費電力を軽 減する省エネモジュールです。
この革新的な技術は、省スペースなシングルタワー設計と、転炉のサイズや流入ダスト濃度にほぼ制約 がないことから、特に旧式で非効率な湿式 BOF ガス清浄の改良およびアップグレードプロジェクトに 有効です。 さらに、WESP は、常州東方特殊鋼でのプロジェクトのようにオフラインでのテストが可 能です。既存のガス清浄システムへの組み込みは、予定された BOF 改修時の運転停止中にわずか 3 日 で実施されました。
常州東方特殊鋼の 転炉 No.1 および No. 2 に設置された当社の WESP タワー
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、 プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライ ゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野 を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社 で、従業員数は全世界で約 7,000 人です。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト: www.primetals.com.