ニュース&プレスリリース
ロンドン2018年9月 27日
中国の馬鋼向けハイパーUC ミルにアップグレードした 世界初のリバースコールドミルが稼働開始
- 作業ロールの小径化により圧延荷重を低減
- 高品質の高強度薄板製品の生産を実現
- 電磁鋼板の需要増加に対応
- 投資コストとメンテナンスコストを削減する圧延機コンセプト
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は中国の鉄鋼メーカーの馬鋼(集団)控股 有限公司(Masteel:馬鋼)が馬鞍山市に保有する冷間圧延工場向けにアップグレードしたリバースコ ールドミル(可逆式冷間圧延機;RCM)を納入し、このたびファーストコイルが生産されました。
この圧延機は世界で初めて従来の UC ミルからハイパーユニバーサルクラウンミル(Hyper Universal Crown-mill:ハイパーUC ミル)にアップグレードされ、正式に稼働を開始しました。ハイパーUC ミル は作業ロールの小径化により圧延荷重を低減すると同時に、高品質の高強度薄板製品生産が可能となり ます。本圧延機の改造は、投資コストとメンテナンスコストを削減するコンセプトをもとに設計されて います。今回のアップグレードにより、馬鋼は自動車の EV 化などによって最終ユーザーの需要が急増 している電磁鋼板に対応可能となります。当社は 2017 年 4 月にこの RCM のアップグレード工事を受 注していました。
ハイパーUC ミルは、高張力鋼板(HSS)などの圧延時の荷重低減、板厚および平坦度制御性の向上を 目的として当社が開発したものです。小径作業ロール、中間およびバックアップロールのロール径の組 み合せを最適化して高度な形状制御性を実現する「作業ロール駆動方式」、作業ロールを駆動する「高 強度小径スピンドル」で構成されています。この技術はハイグレードな無方向性電磁鋼板や薄板製品の 圧延にも適用可能です。
今回アップグレードされた圧延機では、板厚 0.3~0.65 ミリメートル、板幅 900~1,280 ミリメートル の電磁鋼板が生産されます。
馬鋼は 1958 年に設立され中国安徽省に拠点を置き、鉄の精錬、圧延、加工、鉄鋼製品の販売やサポー トサービスを中心に事業を展開する大規模鉄鋼生産複合企業です。同社の生産量は 2017 年実績で 1,970 万トン、薄鋼板の熱間圧延および冷間圧延、薄板の溶融亜鉛めっき及び塗装、電磁鋼板、H 形鋼、 高品質線材、鉄道車輪など、一流の生産ラインを保有しています。
今回のプロジェクトで、当社は主にプロジェクトブロック、圧延ロール、ロールチョック、駆動スピン ドルとギアボックスなどの主要部品の供給、さらに組立及び試運転の指導を担当しました。
HYPER UC-MILL は、プライメタルズテクノロジーズの登録商標です。
中国・馬鞍山市にある馬鋼の冷間圧延工場でハイパーUC ミルにアップグレードされ た世界初の RCM の前で握手を交わす馬鋼の丁毅会長(右側)とプライメタルズテク ノロジーズジャパンの後藤朗取締役(左側)。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com