ニュース&プレスリリース
ロンドン2024年10月 17日
中国で淮鋼特殊鋼向けEAF Quantum新設工事を完工
- 原料利用において次世代レベルの生産柔軟性を実現
- 生産コストを大幅に削減
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、江蘇沙鋼集団(Jiangsu Shagang Group)傘下にある中国特殊鋼メーカー淮鋼特殊鋼(Huaigang Special Steel)の江蘇省淮安市製鉄所向け80トンの電気アーク炉EAF Quantum新設工事を完工し、最終検収証(FAC)を受領しました。 現地での据付工事期間はわずか5カ月で、2024年1月にファーストヒートを行いました。
出鋼間隔32分
このEAF Quantumは、出鋼間隔32分を達成しながら、卓越した生産柔軟性を示しています。 7月、淮鋼は溶銑25パーセント、スクラップ75パーセントで、トン当たり240kWhの電力消費と、トン当たり23~25立方メートルの酸素消費で炉を運転しました。 その翌月には原料の配合をスクラップ100パーセントに変更しました。 また、溶銑30パーセント、スクラップ70パーセントの割合でも運転し、その際の消費電力はトン当たり230 kWh未満でした。 さらに溶銑30~40パーセントでも運転が可能です。
プライメタルズ テクノロジーズは、レベル1自動化システム、自動チャージングプロセス、酸素注入と砂充填の自動化システム、レベル2自動化システムの他、主要な機械・電気プロセス装置も供給しました。
極めて少ない電力消費量
2021年、プライメタルズ テクノロジーズは江蘇沙鋼集団向けの最初のEAF Quantumを受注しました。 このプロジェクトでの好結果により、2022年には同社向けに2基目のEAF Quantumを受注しました。 淮鋼特殊鋼の既設ラインは年間320万トンの特殊鋼を生産しており、設備は長短工程を組み合わせたものです。 バネ鋼やベアリング鋼などハイエンドの特殊鋼に重点を置く淮鋼は、中国の特殊鋼市場のリーダー的メーカーです。
使用できる原料の幅広さとEAF Quantumの高い溶解効率により、高品質な特殊鋼製品が生産され、電力消費は1ヒートでトン当たり230kWh未満とさらに少なくなり、溶解時間が大幅に短縮されています。 従来の電気アーク炉プラントと比較して、生産コストは20%以上削減されています。
排ガスをスクラップの予熱に利用
従来の電気アーク炉とEAF Quantumの最も大きな違いのひとつは、スクラップを予熱する手順です。EAF Quantumは、台形シャフトとスクラップ保持システムに特徴があります。この独自の設計により、スクラップの分配が最適化され、排ガスをスクラップの予熱に利用することができ、その結果、EAF Quantumではスクラップを溶解するために必要な時間と電力が少なく、電力消費の削減と生産性の向上を実現しています。 この独自の設計により、スクラップの分配が最適化され、排ガスをスクラップの予熱に利用することができ、 その結果、EAF Quantumではスクラップを溶解するために必要な時間と電力が少なく、電力消費の削減と生産性の向上を実現しています。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp