ニュース&プレスリリース
ロンドン2018年3月 08日
メキシコの Tyasa 社に納入した可逆式冷間圧延機がコイ ルの生産を開始
- 当社単独による完全一括納入
- 多様な最終製品をフレキシブルに生産、特にバッチ生産による小ロット製品に最適
- 高い平坦度と板厚精度、良好な表面品質を確保
- 所定外寸法の鋼板最小化と歩留最大化を実現するコンパクトな設計
- 予定の工期 21 か月で完工
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)はメキシコの鉄鋼メーカーTyasa 社(TA 2000, S.A. de C.V.)の保有するメキシコ中西部ベラクルス州イスタクソキトランのオリザバ製鉄所向け に可逆式冷間圧延機を納入し、稼働開始後のファースト・コイルが圧延されました。
この冷間圧延機は、薄板製品を含む Tyasa 社のラインナップ拡充戦略のひとつとして、年間 20 万トン の生産能力を持ち、高強度低炭素鋼板生産用として幅広い最終製品を製造するために 4 段スタンド 1 基 構成で設計されており、特にバッチ生産による小ロット製品の製造に最適です。最大圧延荷重は 1,800 トン、入側板厚は 0.7~2.0 mm、出側板厚は 0.3~1.0 mm、板幅は 900~1,650 mm、コイル単重は最大 32 トンです。プロセス機器と各種技術パッケージによって、高い平坦度と板厚精度、さらに良好な表面 品質も確保され、コンパクトな設計により、所定外板厚となる圧延鋼板の発生を最小限に抑制します。 このプロジェクトは予定した 21 か月の工期で完工しました。
当社は、本プロセスの機械設備、電気機器および自動化設備を一括納入し、据付およびプラント試運転 の指導も担当しました。正確な板厚制御を実現する重要部品である圧延荷重シリンダー(内蔵型高解像 度ポジショントランスデューサ、低摩擦シール、ガイディングロッドアセンブリ付)および他のコア部 品は当社工場で製造され、徹底した試験の後で納品されました。
高い平坦性確保のために、高度なワークロールベンダー、ワークロールのマルチゾーン冷却、連続平坦 度測定に加えて、平坦度自動制御など特別な技術パッケージが投入されました。
圧延鋼板表面のチリ等を吹き飛ばすエアパージをあらゆる圧延速度において効率的かつ確実に行うよう に、特別なエアノズル配置などが工夫されており、高い表面品質が得られます。さらに、圧延鋼板の先 端をクランプすることによって生じるコイルの偏心を補正する制御モデル(コイル・エキセントリシテ ィ・コンペンセーター:CECO)を使用することにより、圧延中の鋼板張力が定常化し、製品板厚の安 定と表面品質のさらなる向上が実現されました。
Tyasa 社は、1985 年に設立されたメキシコの民間鉄鋼メーカーです。同社は同国中西部ベラクルス州オ リザバ市近郊のイスタクソキトランにあるオリザバ製鉄所、さらにユカタン州の州都メリダ市にあるメ リダ製鉄所の2つの生産拠点を有しています。
プライメタルズテクノロジーズがメキシコの Tyasa 社に納入した 4 段可逆式冷間圧延機
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com