ニュース&プレスリリース
ドバイ2021年2月 28日
プライメタルズテクノロジーズとMidrex TechnologiesがMikhailovsky HBIと契約、世界最大のホットブリケットアイアン(HBI)プラント建設へ
- HBI年間生産量は208万トン
- エネルギー消費量と環境負荷を低減する最先端設計
- エンジニアリング、設備機器供給およびアドバイザリーサービスを含む契約
- 2024年上期稼働開始予定
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)と、コンソーシアムパートナーであるMidrex テクノロジーズ(Midrex Technologies, Inc.、以下Midrex社)は、USM社とミハイロフスキーGOK (Mikhailovsky GOK、メタロインベスト社の子会社)が共同で設立したミハイロフスキー HBI社(Mikhailovsky HBI)とロシア、クルスク州ジェレズノゴルスク市(Zheleznogorsk)での新しいHBI プラント建設について契約を締結しました。このプラントの年間HBI生産量は208万トンで、エネルギー消費と環境負荷を低減する最先端の設計です。契約内容には、エンジニアリング、設備機器供給、アドバイザリーサービスが含まれます。稼働開始は2024年上期の予定です。
契約書に署名したのは、USM副CEO Pavel Mitrofanov氏、Midrex社長兼CEO Stephen Montague氏、当社グローバルCTO兼オーストリアCEO平井 悦郎、当社EVP兼上流部門グローバル責任者 Aashish Guptaです。
USM社CEO Ivan Streshinsky氏談:「これは、ロシアの金属業および鉱業にとって重要なプロジェクトの始まりです。環境に優しい将来の冶金基礎製品であるHBIの世界市場におけるロシアのリーダーシップはさらに強化されるでしょう。世界最大級のHBIプラントがメタロインベスト社との緊密な技術協力で誕生します。」
Midrex社長兼CEO Stephen Montague氏談:「ミハイロフスキー HBIプロジェクトは、我々の産業が切実に必要としている低CO2金属の高まる需要を満たすのに役立つでしょう。HBI製造の発展への貢献と、製鉄会社の脱炭素化におけるMidrex社の役割を誇りに思います。」
当社グローバルCTO兼オーストリアCEO平井 悦郎 談:「これまでに、レベジンンスキーGOK (Lebedinsky GOK)でHBI2及びHBI3プラントを成功裏に完工しています。ミハイロスキーHBIが当社とMidrex社を技術サプライヤーとして選んだことは、当社の専門知識とソリューションへの大きな信頼の現れです。このプロジェクトには最新の技術がすべて盛り込まれ、世界最大級で最先端のHBIプラントになります。」
メタロインベスト社CEO Nazim Efendiev氏談:「メタロインベスト社は、商業用HBI市場の世界的リーダーであり、2020年には約480万トンのブリケットがレベジンンスキーGOKから出荷されました。メタロインベスト社が蓄積したHBI製造ノウハウはこのプロジェクトを必ず成功させるでしょう。ミハイロフスキーGOK も新プラントに高品質の鉄鉱石を供給します。新プラントの設計が『環境にやさしい』水素還元への完全な移行を視野に入れたカーボンフリーメタラジーの原理に基づいていることは極めて重要な点です。このプロジェクトは、『環境に優しい』 冶金の更なる発展と、鉄鋼生産でのエコ技術の積極的な適用の強固な基盤となります。」
この契約は、MIDREXをベースにし、80%のマーケットシェアを持つ直接還元技術が業界をリードする技術であることをあらためて証明しています。
新プラントは世界最大級のHBIプラントとなり、最新の機能を備えています。7.15 m径のMIDREXシャフト炉、19連の改質炉には280 mmMA-1改質チューブ、およびNOx削減のための低NOxバーナーが装備されています。炉頂排出ガスを昇圧することで、炉の生産性を高め、消費電力を低減します。排ガスホットファンがさらに消費電力を低減します。また、排ガス顕熱回収システムも組み込まれます。DRIpaxエキスパートシステムを含むレベル1およびレベル2自動化システムもプロジェクトの一部です。
Midrexとプライメタルズテクノロジーズは、機械および電気設備、鋼構造物、配管、ダクトのエンジニアリングと供給、およびトレーニングとアドバイザリーサービス担当します。
Midrexは、鉱石ベースの製鉄で最も環境に優しい、天然ガスを使用したMIDREX直接還元プロセス「MIDREX NG」を使用して、鉄鉱石ペレットから高品質のHBIを製造しています。Midrex NGの二酸化炭素排出量は従来の製銑技術と比較して50%以上削減されています。天然ガスを環境にやさしい水素に置き換えれば将来的に炭素排出量をさらに削減できる可能性があります。新プラントは将来の完全水素還元に対応しています。新プラントではミハイロフスキーGOKから産出された鉄鉱石から製造したペレットを原材料とします。
新プラント建設のための投資額は、400億ルーブル以上(VAT抜)と推定されます。このプロジェクトによりジェレズノゴルスク市は高い資格を要する雇用を400件創出します。ミハイロフスキーHBI(出資率USM社55%、ミハイロフスキーGOK45%)はプロジェクトファイナンスにより本プロジェクトを遂行します。
MIDREXは株式会社神戸製鋼所の登録商標です。
MIDREX NGはMidrexテクノロジーズの商標です。
レベディンスキーGOKのMidrexプラント「LGOK III」ゼレズノゴルスクにも同様の工場を建設予定
メタロインベスト社は鉄鉱石と商業用HBI製造供給において世界的トップ企業であり、同地方の高品質鉄鋼製品メーカーでもあります。同社の鉄鉱石貯蔵量は世界第2位であり、最もコストの低い鉄鉱石メーカーの1つです。ホールディングカンパニー USM LLCの100%子会社です。ホールディング・カンパニー USM LLCの筆頭株主はAlisher Usmanov氏です(49%)。
Midrexは鉄鋼業界向け直接還元製鉄技術とアフターマーケットソリューションの世界的トップ企業です。50年以上にわたりMIDREX®プロセスの技術提供者として、直接還元鉄(DRI)プラントの設計、建設、サービスを行っています。
MIDREXプロセスは信頼性の高いクリーンな鉄源を求める鉄鋼メーカーのニーズを満たします。毎年MIDREXプラントは、世界のDRIの60%以上を冷間DRI(CDRI)、熱間DRI(HDRI)、熱間ブリケット鉄(HBI)の3つの形態で生産しています。MIDREXプロセスは、生産性とプロセスの柔軟性において業界でも他に例を見ないものです。
同社の本社と研究技術開発センターは米国ノースカロライナ州シャーロットにあります。また、英国、中国、インド、ドバイにも支社があり、完全子会社であるMidrex UK Limitedを通じて本プロジェクトを遂行します。
詳細については、www.midrex.com をご覧ください。
USMは、金属・鉱業、通信、テクノロジー、インターネットの各分野で大きな利益を上げているロシアの多角的なホールディングスです。アッセトには、メタロインベスト、ウドカン・カッパー、メガフォン、ICSホールディングなどの業界リーダーがいます。USMは、パースペクティブ・テクノロジー研究センターの株主であり、Mail.ruグループの間接株主でもあります。USMはロシア国籍で、主な株主はAlisher Usmanov氏、 Vladimir Skoch氏、Farhad Moshiri 氏、 Ivan Streshinsky氏です。
プライメタルズテクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp