• ビレット連続鋳造機の改修工事について最終検収証（FAC）を受領
• 6週間という異例の短期間の操業停止期間で完工
• リトラクタブルオシレーターにより生産性が向上
• LevConパラメーターの最適化でモールドレベルの安定性が34%向上

プライメタルズ テクノロジーズ（Primetals Technologies）は、フェラルピグループ傘下にあるフェラルピ製鉄（Feralpi Siderurgica）の、イタリア、ロナート デル ガルダ（Lonato del Garda）拠点向け6ストランドビレット連続鋳造機の改修工事について最終検収証（FAC）を受領しました。 同様の工事は通常、最短でも1年半かかりますが、本工事は契約締結から1年、 連続鋳造機上の工事はわずか6週間の2023年の夏季操業停止中に実施されました。

フェラルピのニーズに合わせた特別な設計と、フェラルピと当社の技術者の緊密な知識共有と協力体制により、このような短期間での導入が可能となりました。 当社は、鋳口6本を全て一体型とし、またフェラルピの拠点に輸送する前に設備を事前に組み立てました。 さらに、モールドとリトラクタブルオシレーターも一体型で設計・製作され、こういったすべての要素が現場でのスムーズな据付に寄与しました。

鋳造工程中のモールド交換

当社は改修プロジェクトの一環としてリトラクタブルオシレーターを導入し、生産性を向上させました。 従来のビレット連続鋳造機では、モールド交換の際にすべてのストランドでの生産が完全に停止します。 しかし、リトラクタブルオシレーターは可動式キャリッジに取り付けられているため、モールド交換の際には各オシレーターを個別に取り外すことができます。 この構成により、1つのストランドのモールド交換の間、他のストランドでの生産を継続することができます。

ビレットの中心部品質の向上

当社の供給範囲は、鋳口、リトラクタブルオシレーター、ストランドガイドユニット、引抜ストランドユニット（WSU）のドライブ選定・導入、ピンチロールなど、主要な機械設備を網羅しています。 「LevConオートスタート」機能を含む、モールド／オシレーターのための電気および自動化ソリューション全般とその実装が、工事の仕上げとなりました。 

モールドレベルの安定性向上

プロジェクトの一環として、当社の自動制御システム専門家とフェラルピのエンジニアが共同で工場を調査し、生産性能を向上させるために最適化すべきエリアを探りました。 評価の結果、引抜ドライブの応答時間が改善可能であることが分かりました。 さらに、当社のチームは、数値最適化手法を用いて、LevCon のパラメーターセットを一新しました。

最新のオープンストリーム鋳造向けLevCon機能は、モールドレベル制御を強化するソリューションです。 この最適化措置により、モールドレベルの標準偏差、つまり、モールドレベルの安定性を示す値が平均34パーセント改善されました。 フェラルピは、この新技術が精密なモールドレベル制御の新たな基準を打ち立てたとして、高く評価しています。 フェラルピは現在、LevConの自動スタート機能を通常操業に組み込んでおり、ブレークアウトの回数が最小限に抑えられています。 

複数の国際企業を傘下に持つフェラルピグループは、年間生産能力245万トンを誇る欧州建設業界における大手サプライヤーです。 同グループの循環型経済への充実した取り組みは高く評価されており、鋼材の98.6パーセントがリサイクル材や回収材、副生成物から生産されています。 イタリアで複数の子会社を運営し、欧州と北アフリカに生産・販売拠点を所有しています。 1968年に設立されたフェラルピ製鉄は、フェラルピグループで最も歴史のある会社であり、欧州においては鉄筋棒鋼、ワイヤーロッ ド、電気溶接メッシュなどの補強鋼および関連製品の主要サプライヤーです。 
 

フェラルピの、イタリア、ロナート デル ガルダにある拠点に設置されたプライメタルズ テクノロジーズ製6ストランドビレット連続鋳造機