ニュース&プレスリリース
ロンドン2022年10月 14日
フェストアルピーネドナウビッツ製鉄所で統合品質管理システムを生産ライン全体に拡張
- 統合品質管理システム「Through-Process Quality Control(TPQC)」を追加受注
- 長期にわたるデータの自動評価により製品品質が向上
- 製鉄所内の生産ライン全体で自動品質評価を実施
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)はこのほど、フェストアルピーネ(voestalpine)のオーストリア、ドナウビッツ製鉄所向けナレッジベース統合品質管理システム「Through-Process Quality Control(TPQC)」を追加受注しました。導入は2023年第2四半期に予定されています。
この新しいソリューションにより、溶解工場でのシームレスな長期データ自動評価が可能になります。各工程ごとに製品とプロセスの品質が自動的に評価されるため、要件を満たした製品が生産されます。オペレーターやプロセスエンジニアは、広範なプロセス評価機能にアクセスすることができます。このシステムで得られた知見は、さらなる最適化のための基礎として利用され、生産工程と最終製品の品質が向上します。
溶解工場全体の自動評価
フェストアルピーネは1年半以上にわたって、ドナウビッツ製鉄所のNo.4 連鋳機でTPQCシステムを使用しています。プラント拡張のプロジェクトマネージャーであるMarco Vauti氏は、その経験について次のように語っています。
「長期にわたって蓄積されるデータセットを評価するTPQCシステムの機能は、生産工程と製品品質の継続的な最適化に大いに貢献しています。」
今回の受注により、レードル炉、転炉、二次冶金工程、真空脱ガス装置といった生産ライン全体を通して製品品質が自動的に評価されることになります。この拡張工事は、No. 4連鋳機の既存システムへの追加工事と併せて実施されます。また、現在、No. 3連鋳機にもTPQCシステムの導入を進めています。
データによる裏付けが意思決定を容易に
デジタルアシスト機能や統計的工程管理などにより、最良の結果をもたらす最適なソリューションが導き出されます。このシステムはビジネスインテリジェンスを連結し、データをシンプルかつ迅速に可視化します。このため、オペレーターは工場が操業中であっても、データに裏付けられた迅速な意思決定を行うことができます。TPQCはデータ分析プラットフォームとの統合により、再コード化された生産データのパターンを特定し、生産プロセスに関する新たな知見を提供することができます。
TPQCは当社の統合プロセス最適化ソリューション「Through-Process Optimization(TPO)」の一部であり、世界中の生産ラインで全体を通じた優れたオペレーションを実現するために使用されています。
長年にわたる協力関係
当社とフェストアルピーネのドナウビッツ製鉄所における協力関係は25年以上にわたります。鉄鋼とテクノロジーのリーディングカンパニー、フェストアルピーネの子会社であるフェストアルピーネ シュタール ドナウビッツ(voestalpine Stahl Donawitz)は、顧客ごとの特定の要望に応じた高級鋼を生産しています。レオーベンに位置する同社は、実績あるLD転炉生産ライン(焼結工場 - 高炉 - 溶銑脱硫工場 - LD転炉 - 二次冶金 - 連続鋳造)を採用しています。ドナウビッツ製鉄所では、年間約160万トンの高品質粗鋼を生産しています。
フェストアルピーネのドナウビッツ製鉄所では、統合品質管理ソリューション「Through-Process Quality Control(TPQC)」によるシームレスな長期データアーカイブと自動品質評価が可能になります。(写真提供: voestalpine)
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp