ニュース&プレスリリース
ロンドン2017年5月 25日
パキスタンのアグハ 鉄鋼から棒鋼圧延プラントを受注
- パキスタン国内市場向け鉄筋製造用の棒鋼圧延プラント
- 生産能力は年間 30 万トン
- ビレットの高効率加熱システムによる加熱源の最適運用で、操業コストを大幅削減
- 圧延処理の生産計画最適化で、圧延用ロール摩耗を均一化
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies, Limited)は、パキスタンの鉄筋・棒鋼メー カーであるアグハ 鉄鋼(Agha Steel Industries:ASI)より、パキスタン・カラチ近郊のポート・カシ ム工場向けに新設の棒鋼圧延プラントを受注しました。この最先端圧延プラントは、断面 130 ミリメー トル角、最長 12 メートルのビレットから最終製品となる直径 8~40 ミリメートルの鉄筋・棒鋼を生産 可能で、年産能力は 30 万トンです。本プラントの熱間試運転は 2018 年中頃に予定されています。
本圧延機は、直径 8~9.5 ミリメートルの製品を 4 条同時生産する 4 スリットモード、直径 10~12.7 ミ リメートルの製品を 2 条同時生産する 2 スリットモードで生産性が最大となり、圧延速度は最速で毎秒 13 メートル、棒鋼圧延能力は最大で毎時 50 トン、最終製品である棒鋼は結束された状態で重量 3~4 トン、長さ 6~16 メートルになります。
圧延ラインは、第 5 世代レッドリング方式(Red Ring)圧延スタンドを VHVHHV 配置(V:垂直、H: 水平)で6スタンド装備した粗圧延機、HVHVHV 配置で6スタンドの中間圧延機、HHHH 配置で4ス タンドの仕上げ圧延機で構成され、加工処理の生産計画最適化によって、圧延ロールの摩耗も均一化さ れます。
連続鋳造機で鋳造されるビレットの加熱用として、粗圧延機の入口側に新設されるインライン式高出力 誘導加熱炉を含む 2 系統の加熱処理ルート、さらにそのコントロール用の高効率加熱システム(EHS) が新たに装備されます。生産計画とビレット長、各加熱源の変動費と稼働率に応じて、EHS が 2 系統の 加熱処理ルートにビレットを振り分け、圧延に必要な温度まで均一かつ正確に制御加熱を行い、操業コ ストも大きく削減されます。
付属設備としては、熱間クロップ切断機と緊急用せん断機、仕上げ圧延機の最終スタンドの下流に据付 けられるインライン熱処理用急冷システム(Pomini 急冷システム:PQS)、ピンチロール、ブレーキス ライド付き冷却床(54×8 メートル)入口側の熱間分割用せん断機、さらに切断力 300 トンの冷間分割 用せん断機、棒鋼の計数、結束、秤量、ラベル付け用の各機器など、一連のプロセス機器が装備されま す。
プライメタルズ テクノロジーズは、本プラントのエンジニアリング全般を担当し、ビレット用誘導加熱 炉から圧延機、出荷エリアまでの主要機器及びプロセス機器、さらにガイド、給油装置、油圧装置、ベ ーシックオートメーション(レベル 1)、プロセスオートメーション(レベル 2)、モーター、ドライ ブ、無停電電源装置などの各機器及びシステムの納入に加えて、顧客であるアグハ鉄鋼が担当する組立 及び試運転のサポートを行います。
プライメタルズ テクノロジーズの第 5 世代 Red Ring 圧延スタンド。パキスタン・カラチ近郊のアグハ 鉄鋼ポートカシム工場向けの新設棒鋼圧延機用として計 16 基を納入へ。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリン グやプラント建設全般の、世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューショ ンをお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com