ニュース&プレスリリース
ロンドン2022年5月 03日
トルコ、チョラコール社向けプラントがステンレス製鋼において2つの世界記録を更新
- 真空酸素脱炭(VOD)プラントで過去最大のヒートサイズを達成
- 同プラントは過去最少の炭素レベルも達成
- 豊富な製鋼ノウハウで、厖大なヒートサイズに対応
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)が納入した真空酸素脱炭(VOD)プラントが最大298.2トンのヒートサイズを達成し、ステンレス製鋼における世界記録を更新しました。また、脱炭後の炭素含有量も最少5ppmを達成し、これもVODプラントの世界記録更新となりました。このプラントはイスタンブールの南東約60kmのディロヴァスにあり、トルコの鉄鋼メーカー、チョラコール(Çolakoğlu)が操業しています。
チョラコールCEO、Uğur Dalbeler氏は「トルコの鉄鋼業界のパイオニアであるチョラコールは、新しいことに挑戦する勇気をもっています。VODプラントでの成果は、その決意の証です。プロジェクトを率先して進め、見事な結果を出したわが社の社員の功績を称えるとともに、プライメタルズ テクノロジーズの協力と支援に深く感謝しています。両社はステンレススクラップのリサイクルによって価値を創出し、トルコの産業界にステンレス鋼を供給します。輸入ステンレス鋼にとって代わることで、トルコの貿易赤字削減に貢献します」と、述べています。
ステンレス製鋼のリーダー
本VODプラントでのような記録更新の成果を出すには、製鋼工程で多くの障害を克服しなければなりません。例えば、高温での出鋼には、出鋼時の目詰まり、水冷パネルの漏れ、炉の耐火物の問題などを回避するために、綿密に計算された、非常に正確な炉のプロセスパラメータが必要です。また、VODシステムを、厖大なヒートサイズに対応するよう設計する必要があります。
超低炭素ステンレス鋼
VODシステムは、VDプラントと比較して、酸素吹込みランス、酸素吹込みを制御する真空ポンプ、ガス冷却、ダストフィルター、CO燃焼システムなどの必要なコンポーネントを追加装備したタンク脱ガス装置です。また、最終化学分析や溶鋼温度などの最終工程のパラメーターを正確に設定するプロセスモデル(レベル2)も備えています。酸素の追加供給により、超低炭素ステンレス鋼の生産(強制脱炭)や、アルミニウムまたはシリコンの添加に伴う溶鋼の化学加熱(VD-OBプロセス)が可能になります。
世界最大級のプラント
チョラコールは、トルコの西部に位置するディロヴァスで電気製鉄所を操業しています。この製鉄所では主に、熱間圧延機で加工されるスラブ、鉄筋やロックボルトの原料となるビレットが生産されています。当社が納入した世界最大級の規模を誇るチョラコールの電炉プラントは数年前から稼動しており、2020年後半には、VODプラントへの近代化、アップグレードが行われました。そして両社の強力なビジネスパートナーシップがまた一歩前進したのです。
世界記録を更新したチョラコール社プラントの2ストランド式スラブ連鋳機(トルコ、ディロヴァス)
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited) は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト: www.primetals.com.