ロンドン2019年4月 09日

トルコのカルデミール社向け排ガス浄化システム Meros が稼働開始

• Meros は 1 基あたり 40 万 Nm³/h の焼結排ガスを処理
• 90%超の SOx 削減性能を有する乾式排脱設計
• 脱硫剤には重炭酸ナトリウムを使用
• 粉塵排出量を大幅に低減し、大気環境を大きく改善
• プロジェクトは短期間で完工

プライメタルズテクノロジーズ（Primetals Technologies）がトルコの鉄鋼メーカーであるカルデミー ル社（Karabuk Iron Steel Industry Trade & Co. Inc.）向けに納入した焼結プラント用排ガス浄化システ ム Meros が稼働を開始しました。カルデミール社は、トルコ北部のサフランボル市近郊にある峡谷地帯 のカラビュックで銑鋼一貫製鉄所を操業しており、3 基の焼結プラントを稼働させています。今回、第 3 焼結プラント用 Meros のアップグレードが実施され稼働を開始したほか、新たに納入した第 1 焼結プ ラント用および第 2 焼結プラント用の Meros についても、2019 年 2 月と 3 月にそれぞれ稼働を開始し ました。

同社向けのすべての Meros において脱硫剤として重炭酸ナトリウムが使用されており、1 基あたりの焼 結排ガス処理能力は 40 万 Nm³/h で、90％超の SOx 除去と大幅な粉塵低減を実現します。これら 3 件の プロジェクトは非常に短い期間で完工し、第 3 焼結プラント用の Meros の場合、技術仕様書の段階から 稼働開始までに要した期間はわずか 10 か月半でした。これらの新しい Meros プラントにより、現地カ ラビュック谷の大気環境は大きく改善されます。

今回の工事で、当社は、重炭酸ナトリウムの注入装置と粉砕ミル、フィルターヘッド、粉塵除去バッグ、 ケージ、電気機器、オートメーション機器などの主要設備のエンジニアリングと納入、ならびにコール ドおよびホット試運転の監督を担当しました。カルデミール社向けの Meros は、オーストリアのフェス トアルピーネ社（voestalpine Steel）、中国の馬鋼（Masteel）、および日本の JFE スチールに続き、重 炭酸ナトリウムによる脱硫の 4 例目の導入となります。

Meros の処理工程では、通常、活性炭や重炭酸ナトリウムなどの吸着剤や脱硫剤を排ガス気流に注入し て微細に分散させる処理モジュールを複数設置し、重金属や、有害かつ危険な有機物成分、二酸化硫黄 ガスなどの酸性ガスを効果的に吸着・結合させて除去します。二酸化硫黄ガスの除去に重炭酸ナトリウ ムを使用することにより、コンディショニング反応器も不要になります。粉塵の粒子は特別に開発され た省エネバッグフィルターに堆積しますが、この大部分を排ガスの気流へ再循環させて再び排ガスと接 触させることにより、未使用の添加剤がほぼすべて利用され、ガス浄化処理の効率とコストパフォーマ ンスがさらに最適化します。消石灰の代わりに重炭酸ナトリウムを使用することで、排出される残留物 の量も大幅に低減します。プロセスオートメーションシステムにより、排ガスの量や組成に大きな変動 がある場合でも安定した作動が保証されるので、排出制限に常に適合することが可能です。Meros シス テムはモジュール設計となっているため、必要なモジュールを後から設置してシステムのアップグレー ドを図るなど、環境規制に対応したソリューションの提供が可能です。

MEROS はプライメタルズテクノロジーズ（Primetals Technologies）の登録商標です。

トルコのカルデミール社に設置された Meros プラント

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト：www.primetals.com