ロンドン2023年6月 27日

グリーン スチールへの移行促進を目指しランザテックと10年間の協力契約を更新

• ランザテックの鉄鋼業界向けカーボンリサイクル技術の展開を加速し、パートナー企業のエコシステムを拡大するための協力体制
• 世界の鉄鋼セクターでより多くのカーボンリサイクルプロジェクトが可能に

プライメタルズ テクノロジーズ（PrimetalsTechnologies）は、鉄鋼業界向けの統合環境ソリューションの展開を加速させるため、CO2回収利用（CCU）のリーディングカンパニーであるランザテック（LanzaTech）と、10年間の協力契約を更新したことを発表しました。

ランザテックは、鉄鋼業などの重工業から排出されるCO2を回収し、燃料や化学物質の製造に利用できるよう変換するカーボンリサイクルプラットフォームを製品化しています。当社は60年以上にわたる金属鉄鋼製造の技術革新の実績に基づき、前身である三菱日立製鉄機械と、1938年に設立されたVAIのポートフォリオを組み合わせて活用しています。現在当社は、鉄鋼セクターに新技術をもたらす最も長い歴史を持つグローバルサプライヤーのひとつとなっています。

グリーンスチールのための様々なソリューション

今回の契約更新により金属鉄鋼業界のグリーン化を推進する共同戦略が確固としたものとなりました。当社は、ランザテックの廃棄物を価値あるものに変える新しいCCU技術と組み合わせた、グリーンスチールのための様々なソリューションを提供します。両社は更新前の契約において、鉄鋼産業による排出物を汎用化学品に変換するプロセスの統合と最適化で協力してきました。今回の新たな10年契約により、世界の鉄鋼セクターで、ランザテックのカーボンリサイクル技術を採用できるプロジェクトが増えることとなります。

ランザテックCEO Jennifer Holmgren博士談

「鉄鋼産業が排出量を削減する単一の方法はありませんが、様々なソリューションで各国、各地域、さらには企業のネットゼロ目標の達成に大きく貢献できます。今日、商業規模でソリューションを提供できること、そしてプライメタルズ テクノロジーズのような業界のリーダーとともに、当社の技術を世界中のより多くの産業関係者に提供できることを大変嬉しく思っています。」

排ガスの変換

両社はすでに、世界有数の鉄鋼会社であるアルセローミッタルと協力し、ベルギーのゲントにあるアルセロールミッタルの主力製鉄所にランザテックの技術を導入しています。アルセロールミッタルのSteelanolプロジェクトは、高炉からの排ガスを、持続可能な燃料やその他の下流製品の製造に使用できる先進エタノールに変換するもので、ヨーロッパの鉄鋼業界では初の試みとなります。

2022年12月に開始されたSteelanolプロジェクトは、2023年5月末にプラントが操業を開始し、当社とランザテックは、デュッセルドルフで今月開催された世界最大規模の冶金見本市METECにて共同イベントを行い、製造した最初のサンプルを公開しました。Steelanolプラントが本格的な商業運転を開始すると、CO2排出量を年間12万5千トン削減し、8千万リットルの先進エタノールを生産します。

目標は「ネットゼロ」

プライメタルズ テクノロジーズSVP兼グリーンスチール技術責任者Alexander Fleischanderl博士談

「2050年までにネットゼロを達成するという鉄鋼セクターの目標達成は、画期的なCCU技術の進化にかかっています。ランザテックのアプローチでは、製鉄所が新しい生産方式に移行する場合でも、設備や技術を大きく変更することなく、多様な排ガスの利用が可能になります。製鉄所が炭素集約的な現在の生産方式から新しいプロセスに移行しても、ランザテックの技術は、その結果として生じる排ガスに対応します。この柔軟性が業界の将来を非常に楽しみなものにします。」

ランザテック

ランザテック（ナスダックLNZA）は、米国イリノイ州スコーキーに本社を置き、排出炭素を持続可能な燃料、繊維、包装材料、その他製品の素材に変換します。さまざまな廃棄物原料を使用するランザテックの技術プラットフォームは、消費者が日常生活のすべてを未使用の化石原料に依存しない未来を示しています。ランザテックの目標は、世界の炭素の使用方法に挑戦し、変革をもたらし、炭素を無駄にするのではなく再利用し、空と海をきれいに保ち、汚染を過去のものとする新しい循環型炭素経済の実現です。詳細はhttps://lanzatech.com をご覧ください。

契約調印式にて左から

プライメタルズ テクノロジーズ EVP兼メタラジー及びアフターサービス部門責任者Karl Purkarthofer

プライメタルズ テクノロジーズ SVP兼グリーンスチール技術責任者Alexander Fleischanderl

ランザテックCEO Jennifer Holmgren

ランザテックGlobal Business Development Director Sanjeev Manocha

プライメタルズテクノロジーズ（Primetals Technologies）は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100％出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。　

公式ウェブサイト：https://www.primetals.com/jp