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continuous slab caster

ロンドン2017年12月 19日

インドの JSW Steel 社ドルビー工場向けにスラブ連続鋳 造機 2 基と熱間圧延設備一式を受注

  • スラブの年間生産能力は 450 万トン
  • 技術パッケージによりスラブを高品質化
  • トラナガル工場で同様の連鋳機が稼働中
  • 連鋳機から、新設の熱間圧延設備にスラブを供給
  • 熱間圧延設備の年間生産能力は 500 万トン

 

プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、インドの鉄鋼メーカーである JSW スチ ール社(JSW Steel Ltd.)からインド西部のマハーラーシュトラ州ドルビー工場向けに、スラブ連続鋳 造機 2 基と年間生産能力 500 万トンの熱間圧延設備を受注しました。2 ストランド(条)式スラブ連鋳 機 2 基は、初年度のスラブ生産能力として年間約 450 万トン、将来的には 600 万トンまで能力拡大も可 能で、多数の技術パッケージにより、高い内部及び表面品質のスラブ生産が実現します。設備の稼動開 始は 2019 年中頃の予定です。

 

JSW スチール社は、インドの大手民間鉄鋼メーカーで JSW グループの傘下にあり、カルナータカ、タ ミルナードゥ、マハーラーシュトラの各州に 6 ヵ所の生産拠点を保有し、年間の総生産能力は約 1,800 万トンになります。カルナータカ州トラナガル市の工場では当社の納入したスラブ連鋳機 3 基が既に稼 働中です。今回の設備が納入されるドルビー工場の年間生産能力は現在約 500 万トンで、当社が新たに 納入する連鋳機と熱間圧延設備は、他の設備投資とあいまって同工場の生産能力の大幅拡大に寄与しま す。JSW スチール社はさらに年間総生産能力を 4,000 万トンに拡大する中期計画を立てています。

 

今回供給するこの連鋳機 2 基は、湾曲半径 9 メートル、凝固完了長 34.5 メートルで、将来的には 36.9 メートルに拡張可能。厚さ 220 ミリメートル、幅 900~1,650 ミリメートルのスラブを毎分最大 2 メー トルの速度で鋳造し、将来的には毎分 2.1 メートルまで増速させる計画です。

 

本連鋳機は、当社のさまざまな技術パッケージにより、トラブルのない鋳造プロセスと、表面及び内部 の品質が高いスラブの生産が可能です。パッケージにはストレート形状の鋳型「SmartMold(スマート モールド)」*1、湯もれを自動検知する鋳型監視システム「Mold Expert(モールドエキスパート)」、 鋳型内の湯面レベルを制御する「LevCon(レブコン)」*2、鋳型オシレーター機構「DynaFlex(ダイ ナフレックス)」*3、インライン品質保証システム「Quality Expert(クオリティエキスパート)」が含 まれ、「DynaGap Soft Reduction (ダイナギャップソフトリダクション)」*4を冷却モデル「Dynacs 3D(ダイナックス 3D)」*5と組み合わせることで、高品質な鋼管用の鋼種やマイクロ合金鋼のスラブ を鋳造することができます。これらに加えて当社は、ベーシックシステム(レベル 1)とプロセスオー トメーションシステム(レベル 2)の供給、据付けおよび試運転指導、顧客のトレーニングも担当しま す。

 

一方、熱間圧延設備は、エッジャー搭載の粗圧延機 1 基、クロップシャー、仕上げ圧延機7基、ダウン コイラー3 基、パレットコンベアで構成され、板厚 1.5 ミリから 16 ミリメートル、板幅 900 ミリから 1,650 ミリメートル、最大コイル重量 34 トンの熱延鋼板を生産します。この設備では建設用炭素鋼、高 品質炭素鋼、合金鋼、DP 鋼および TRIP 鋼、HSLA や API 規格では最高 X-70 級までを含め、さまざま な鋼種への対応が可能です。当社は、設計、エンジニアリング、機械設備及び圧延機のすべてのドライ ブとモーター、ベーシックシステム(レベル 1)とプロセスオートメーションシステム(レベル 2)の 供給の他、据付けと試運転指導、顧客のトレーニングを担当します。 仕上げ圧延機 7 基のうち 4 基には当社独自のペアクロスミル技術を装備しています。ペアクロスミルは、 上下に配置された 2 組のワークロールとバックアップロールのペア同士を斜めに交差させており、上か ら見ると、二組のペアロールが X 字型に配置されています。 これにより、板を圧延するロール同士の 隙間を適正に制御することが可能となり、板厚が不均一となる板クラウン*6を従来型の 4-Hi 圧延機*7 よりも効果的に改善。現在、世界中で約 150 基のペアクロス型仕上げ圧延機が稼働中です。

 

プライメタルズテクノロジーズのスラブ連続鋳造機。同型の連鋳機をインドの JSW ス チール社ドルビー工場に納入予定。

 

*1「Smart Mold(スマートモールド)」:連鋳機の溶鋼入口のモールド鋳型をカセット方式として交換 を容易にしたもの。

*2「LevCon(レブコン)」:鋳込み時の湯面レベルを最適化する制御システムで、モジュラー設計に より、湯面計測装置、流量調節機構、アクチュエータが選択可能となっている。

*3「DynaFlex(ダイナフレックス)」:鋳型を微妙に振動させることにより、連続鋳造中に移動する 鋳片と鋳型の間に生じる摩擦を軽減し、半製品であるスラブ等の表面品質を向上させ る発振器。

*4「DynaGap Soft Reduction (ダイナギャップソフトリダクション)」:ダイナミック冷却モデルの 目標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域にある鋳造ロールの上下位置を制御する軽 圧下システム。

*5「Dynacs 3D(ダイナックス 3D)」:鋳造中の溶鋼内部の温度分布を3次元解析して冷却処理計 算するプライメタルズテクノロジーズ独自の冷却プロセスモデル。

*6 板クラウン:板幅方向の板厚差。幅方向の中央部が最も厚くなり、端に行くほど薄くなる板形状 の不具合。

*7 従来型 4-Hi ミル:上下のワークロールとそれを支えるバックアップロールの 4 本で構成された 圧延機。従来型では押さえつけられて変形したワークロールの隙間を制御するには限界 があった。

 

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング やプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューションを 含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューションを お届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・ グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%で す。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com