ニュース&プレスリリース
ロンドン2022年6月 09日
インドでの自動車産業向け製品増産プロジェクトとしてPL-TCMを受注
- 連続酸洗タンデム冷間圧延ラインを受注
- 設計年間生産量192万トン
- 自動車産業向け高付加価値鋼種に注力
プライメタルズ テクノロジーズは、アルセロールミッタル ニッポンスチール インディア(ArcelorMittal Nippon Steel India 以下、AM/NS India)のインド西部グジャラート州ハジラにある同社拠点向け連続酸洗タンデム冷間圧延ライン(PL-TCM)を受注しました。2024年7月の稼働開始を予定しています。AM/NS Indiaは年間192万トンの自動車産業向け鋼種を生産する本PL-TCMの新設により、急速に拡大するインドの鉄鋼需要に対応します。
平坦度の向上
当社は、エンジニアリング、主機・補機および電子機器、自動制御システムの供給を担当し、据付け・試運転の指導も行う予定です。タンデム冷間圧延機は、6段式ユニバーサルクラウンコントロールミル(UCM)で、幅900 mm~1,890 mmの鋼種を生産します。UCMは、ロール間の有害接触部を除去、製品の平坦度を向上させ、高圧下を実現します。
省エネ型酸洗ソリューション
酸洗工程と冷延工程を組み合わせることで、プラントの生産性や歩留まりを大幅に向上させるとともに、鋼板の先端通板及び尻ぬけ運転が除去されるため、生産コストを低減することができます。AM/NS Indiaの新しい酸洗ラインには、エネルギー効率の高い酸洗槽を用いた当社のi Boxテクノロジーが採用されています。i Boxは、保温性に優れたポリプロピレン製で、従来のジェット酸洗槽では必要だった酸液の循環のためのポンプを不要とし、より高い酸洗能力を備えています。また、酸洗槽酸濃度制御ACCS(Acid Concentration Control System)は、給酸流量を調整して酸濃度を制御し、塩酸の消費量を最適化します。
新設のPL-TCMラインは、既存の熱間圧延機からの熱間圧延コイルを処理します。酸洗後、コイルは熱間圧延酸洗鋼板として防錆油塗布処理されるか、タンデム冷間圧延機で冷間圧延されます。これらを合わせた年間総生産能力は192万トンです。
革新的な自動制御システム
当社は、電源、ACメインドライブ、AC補助ドライブ、基本およびプロセス自動制御、技術計装、エンジニアリング、試運転を含む電気および自動制御システム一式を提供します。本PL-TCMプロジェクトのハイライトは、TIAポータル(Totally Integrated Automation Portal)です。このプラットフォームにより、AM/NS Indiaは、デジタル プランニングから一貫エンジニアリング、透明性の高いオペレーションまで、デジタル化された自動制御サービス全般を自由に利用できるようになります。
300以上の鋼種
AM/NS Indiaは、大手鉄鋼メーカー、アルセロール ミッタルと日本製鉄の合弁会社です。鋼板の総合メーカーである同社は、年間900万トンの粗鋼生産能力を持ち、製鉄、製鋼、下流設備を運営しています。同社は300以上の鋼種を生産し、自動車、エネルギー、建設など様々な分野に供給しています。
契約締結式で握手するアルセロールミッタル ニッポンスチール インディア設備投資調達責任者Aruni Mishra氏とプライメタルズ テクノロジーズ インドCEO後藤 朗氏。
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp