ニュース&プレスリリース
ロンドン2022年7月 20日
アルセロール ミッタル社ゲント製鉄所向けLD転炉(BOF)が稼働開始
- 革新的なサスペンションシステムを採用した大型LD転炉が稼働開始
- LD転炉は吊り上げて、製鉄所内の高さ10mのパイプブリッジ上を通過
- 処理容量と炉体形状の最適化により、歩留まりとエネルギー効率をベンチマークレベルまで改善
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)がアルセロール ミッタル ベルギー(ArcelorMittal Belgium)のゲント製鉄所に納入したLD転炉(BOF)が稼働を開始しました。当社は仮組立作業をフォローする革新的な手法を用いました。
380トン転炉を吊り上げる
お客様は厳しいプロジェクトスケジュールをキープするために、ほとんどの仮組立をポーランドの製造拠点で行うことを希望されていました。そのため、炉体とトラニオンリングはポーランドで1ユニットとして組み立てることとなりましたが、そうすると、ゲント製鉄所の既存のパイプブリッジの下を通過できない大きさになります。そこで、1,000トンクレーンを使って約380トンのベッセルとトラニオンリングを吊り上げ、高さ10メートルのパイプブリッジの上を通過させる策を立て、実行しました。
お客様のプラント休止期間は35日と厳しいものでしたが、当社は綿密に計画・準備を行い、LD転炉3号機の工事を継続し、期間内に完工しました。工事を円滑に進めるための重要な準備を2021年6月に行われた予備休止時期に行っておいたのがその一例です。
アルセロール ミッタル ベルギー、プロジェクトマネージャー Glenn Gosseye氏談
「着工から試運転まで、プライメタルズ テクノロジーズ社のプロジェクトチームと非常にプロフェッショナルなコラボレーションを経験することができました。」
アルセロールミッタルベルギー、プロジェクトエンジニア Hannes Seys氏談
「非常に厳しい環境下での作業でしたが、35日間のプラント休止期間内という目標を達成することができました。」
最適化された転炉の形状
当社がアルセロール ミッタル ベルギーに納入したLD転炉の特徴は、最適化された炉形状が製鋼プロセスの歩留まりとエネルギー効率をともに向上させることです。また、サスペンションシステムVaicon Link 2.0も重要な特徴です。20年以上前に当社が開発し、改良を続けてきたこのシステムは、炉体をどんな向きでも安定させ、熱膨張を許容します。このため、転炉の寿命期間を通して理想的な状態が保たれます。
LD転炉の平均的なヒートサイズ熱量は約180トンであり、330トンは世界最大級です。ゲント製鉄所へへのこのLD転炉の設置において、当社が供給した装置の総重量は1,000トンとなりました。
高品質な平鋼製品
プロジェクトの内容は、エンジニアリングと建設に加え、転炉、トラニオンリング、メンテナンスフリーサスペンションシステム、傾動装置、ロータリージョイントと配管、スラグシールド、ドッグハウスの部品などの設備供給でした。2013年に当社が納入した既存のスラグストッパーは再利用されました。
アルセロール ミタル ベルギーは、アルセロール ミタル ヨーロッパの平鋼製品部門に属しています。同製鉄所では、自動車、家電、建築など様々な市場に向けた高品質な平鋼製品を生産しています。当社とアルセロールミッタルの関係は長く、スペインとポーランドの製鉄所にヒートサイズ300トンの大型LD転炉を複数納入しています。
アルセロール ミッタルのゲント製鉄所に新設されたLD転炉最初の溶解処理の様子
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト: www.primetals.com.