• コイル識別番号を検出するAIベースのシステムをSSABハメーンリンナ製鉄所に導入
• コイル処理の正しい順序が保証され、生産性が向上
• デジタルアシスタントシステムが酸洗不良をチェックし、冷間圧延設備の損傷を防止

プライメタルズ テクノロジーズ（Primetals Technologies）は、フィンランドのSSAB ハメーンリンナ（Hämeenlinna）製鉄所向けデジタルアシスタントシステム導入工事を完工し、最終検収証（FAC）を受領しました。 本件は、コイルを識別し、酸洗不良を検出する、当社製デジタル化ソリューションの初導入例です。 このシステムが表面品質の問題を特定することで、ストリップ破断などによる生産中断のリスクが減少します。

誤った順序でのコイル処理や酸洗不良は生産工程の中断につながります。 AIを搭載した当社の新しいコンピュータビジョンベースのソリューションがコイルを自動で識別し、ストリップ表面をモニターすることでこの問題を解決します、 

このアシスタントシステムは、ダウンタイムを最小限に抑え、製品が求められる仕様に合わなくなる最終加工ミスのリスクを排除し、操業効率を高めます。 また、コイルの取り違えを防ぐとともに、スクラップを削減することができます。その結果は、ライブ拡張映像ストリームで可視化されます。 

正確なコイル処理順序

アシスタントシステムは、コイルヤードで確実にコイルを適切に保管するために、早い段階でコイルを識別します。 戦略的に配置されたカメラが、熱延コイルがまだデリバリートレイン上にある間に、コイルとサドル番号を検出します。 その結果はコイルヤード管理システムに送信され、コイルヤードでクレーンが合理的かつ適切にコイルを運びます。 コイルがエントリーウォーキングビームに積み込まれると、コイル識別番号が検出され、生産スケジュールと照合されます。 番号と生産予定順序の間に不一致があれば、オペレーターに即座に通知されます。

継続的な改善

アシスタントシステムによって得られた情報は、さらなる処理、分析、文書化のために自動化システムに送られます。 その結果は後続の下流工程に伝達され、圧延速度や切断計画の調整など、対応策を進めます。SSAB ハメーンリンナ製鉄所に採用されたシステムは、新しいタイプのコイルマーキングや酸洗不良を検出するよう学習できるため、システムの性能は継続的に改善します。 SSABは、標準タイプカメラの使用でも、高速で移動するトレインであっても高い精度でコイルが識別されることに注目し、満足していると語っています。

あらゆる生産ユニットに対応するデジタルアシスタント

プライメタルズ テクノロジーズは、あらゆる生産ユニットに対応する多種多様なデジタルアシスタントを提供しています。また、オペレーターや冶金技術者には、的確なガイダンスときめ細かなサポートを約束しています。 当社のアシスタントシステムは、リアルタイムの生産情報に基づく対処策の促進、品質偏差の検出、操作知識のデジタル化など、多くの利点を備えています。

幅広いアプリケーションシ

SSAB ハメーンリンナ製鉄所は1972年に設立され、約1,000人の従業員を擁しています。 SSABは同製鉄所において、冷間圧延鋼材、メタルコーティング鋼材、カラーコーティング鋼材から、コイル、精密管、中空断面、鋼板、スリットストリップを製造しています。 これらの製品は、自動車（たとえば自動車の超高強度安全構造）、建設、家庭用電化製品製造などの分野で、幅広い用途に使用されています。冷間圧延鋼材、メタルコーティング鋼材、カラーコーティング鋼材による、コイル、精密管、中空断面、ストリップ、スリットストリップを製造しています。これらの製品は、自動車、建築、家電製品製造などの幅広い用途に使用されています。 SSABと当社は、これまで数十年にわたりハメーンリンナ製鉄所のタンデム冷間圧延機における自動化など、多くのプロジェクトで協力関係を築いてきました。 
 

プライメタルズ テクノロジーズ製AI支援システムがSSAB ハメーンリンナ製鉄所のコイルIDを識別