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ロンドン2016年6月 30日
Primetals Technologies、オーストリアの voestalpine 社 に最新鋭の二次除塵システムを納入
- 除塵能力は毎時 70 万 m³
- 排ガスの煤塵成分を 1mg/N m³未満に削減
Primetals Technologies は、オーストリアの製鉄会社である voestalpine Stahl GmbH(フェストアルピ ーネ・シュタール社、本社:リンツ)のリンツ工場に最新鋭の二次除塵システム(Seku 3.1)を納入し、 最終検収書を受領しました。voestalpine が進める SEK MET 4(The new secondary metallurgy 4)プロ ジェクトの一環として建設されたもので、下流工程である冶金設備の除塵能力の向上と分離能力の増強 を実現するのが狙いです。これにより、二次精錬設備から放出される毎時 70 万 m³の排ガスを除塵する とともに、浄化後の煤塵成分を 1mg/Nm³未満として、法律で定められた限度値を大きくクリアする計画 です。
今回の二次除塵システムは、Primetals Technologies が 2014 年第 3 四半期に受注したものです。 この二次除塵システムには、多くの排気口を備えた合金ステーションに加えて、既存 2 ヵ所、新規 24 ヵ 所の排気口が設置され、それらは複数のレードル炉と合金ステーション、調整スタンド、ダストボック ス排出など 7 つの排気系統に分かれています。また、同システムは、2,300kW の吸引式風速制御ファン を備え、変化する運用状態(稼働条件)に合わせて排気容量を調節することが可能です。これにより、 通常の運転では、130°C までの排ガスを毎時 61 万 m³除塵します(最大除塵容量は毎時 70 万 m³)。煤 塵は表面積 計 9,900 m 2のバグフィルターで分離し、清浄化後の気体煤塵含有量を 1mg/Nm³未満とする 計画です。フィルターは、Primetals Technologies が開発した圧縮空気浄化機能を装備しており、バッ グを傷めずに効果的に清掃しながら、圧縮空気を経済的に使用します。また、誘引ファンの電動モータ ーは、一部をエンクロージャーで囲って、騒音を最小限に抑えます。分離した煤塵は、トラフ型チェー ンコンベアと空気コンベアでサイロまたは細粒化プラントに搬送されます。
納入した二次除塵システムには、主要な機械、電気装置のほか、測定装置、制御装置、可視化システム などが含まれています。今回のプロジェクトでは、Primetals Technologies が機器供給のほか、プラン トのエンジニアリング、設置および試運転を担当。鋼構造物、配管、処理前および浄化ガス用ダクト、 浄化ガス用排気塔、ファンシステム、既存システムとの接続作業などの機械的な組み立て作業は、オー ストリアのエンジニアリング企業である SGS Industrial Services GmbH が手掛けました。
voestalpine Stahl Gmbh に納入された Primetals Technologies の新しい二次除塵システ ム(屋外部分)。煤塵含有量 1mg/Nm³未満を達成。(写真提供:voestalpine)
Primetals Technologies, Limited:金属鉄鋼産業における世界的なリーディング・カンパニーであり、この分野の広範な企業のライフサイク ル・パートナーです。本社を英国・ロンドンに置き、電機、オートメーションおよび環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービス の一式を提供しています。その商域は、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、広く非鉄分野部門をもカバーし、最新の圧延ソリューショ ンをお届けしています。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所および株式会社 IHI が資本参加する三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により 2015 年 1 月に発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シ ーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com