ニュース&プレスリリース
ロンドン2019年1月 31日
現代製鉄のスラブ連続鋳造機で最先端のパルス型スプレ ー冷却システムが稼働
- ダイナジェットフレックスシステムにより、高品質鋼板鋳造時のコーナー割れの発生を抑制
- 幅方向に冷却ゾーンを最大限に細分化
- パルス幅可変冷却により、高いターンダウン比で操業条件域を拡大
- スカーフィングによる損失および空気消費量の低減により、運転コストを抑制
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、2018 年 11 月、韓国の現代製鉄 (Hyundai Steel)唐津製鉄所の 2 ストランド(条)スラブ連続鋳造機 CC2 用として、ダイナジェット フレックス(DynaJet Flex)スプレー冷却システムを新たに納入し、その稼働が開始されました。ダイ ナジェットフレックスはパルス幅可変冷却が可能で、冷却ゾーンを幅方向に最大限に細分化し、従来の 冷却システムよりも高いターンダウン比で操業条件域を拡大することができます。特に高品質高張力鋼 板(AHSS)のコーナー割れの発生を最小限に抑えることができ、結果としてスカーフィングによる損 失や空気消費量の低減にもつながります。今回の導入はダイナジェットフレックス技術の初めての産業 利用となります。同社向けには 2017 年 11 月後半にまず第 1 ストランド用の新冷却システムを受注し、 その受入試験が成功したことから、その後直ちに今回の第 2 ストランド用冷却システムの受注となりま した。
連続鋳造機 CC2 は定格年産能力 280 万トン、湾曲半径 9.5 メートル、凝固完了長さ 43.5 メートルで、 板幅 800~1,650 ミリメートル、板厚 250 ミリメートルのスラブを生産できます。現代製鉄は、現代自 動車などの自動車産業向けの特殊鋼(第 2、第 3 世代の AHSS など)を生産しています。このような割 れが生じやすい鋼種では、幅調整が可能な二次冷却システムによってスラブコーナー部の過剰冷却を防 止する必要があります。ベンダーエリアのスプレー冷却幅を 800~1,650 ミリメートルの間で調整する ために、CC2 にはダイナジェットフレックスシステムを装備した 4 ステップ・マージンコントロール装 置が採用されました。
最大流量から最小流量までスプレーパターンの均一性を保ちながら幅広いターンダウン比を達成するた めには、連続鋳造機の二次冷却システムにエアミストノズルを取り付けるというのが現在の一般的な方 法です。コーナー割れを防止するには、さらに冷却ゾーンをストリップ中央部とその両側の部分に幅方 向に細分しなければなりません。ダイナジェットフレックスは、鋳造機の冷却ゾーンをこれまで以上に 細かく分割できる新しい冷却システムです。パルス幅可変信号に従って駆動される冷却水ノズルを使用 することにより、エアミストノズルよりも高いターンダウン比を実現するとともに、空気消費量が低減 されるので運転コストを大幅に抑えることができます。既設セグメントに追加取り付けが可能で、定期 保守サイクル時にセグメントを鋳造機に再度取り付けるとダイナジェットフレックスが直ちに起動し、 セグメントの運転準備が完了します。きわめて精緻なメカニズムにより、スラブの長手方向と幅方向の 両方で最適な温度を実現できる、画期的な冷却システムです。
冷却帯に設置されたプライメタルズテクノロジーズ製のパルス幅可変冷却システム 「ダイナジェットフレックス」
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com