ニュース&プレスリリース
ロンドン2023年9月 19日
中国の鉄鋼メーカーで2基目のArvedi ESPラインが迅速に稼動開始
- 直近に導入されたArvedi ESPラインの熱延鋼板年間生産量は255万トン
- 高品質の極薄鋼板を生産する薄スラブ連続鋳造および圧延プラントで、仕上げ圧延におけるフェライト域圧延に対してもさらに最適化
- 従来の連続鋳造・圧延工程に比べ、エネルギー消費量を最大50%削減
- 生産時のCO2直接排出量はゼロ
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は、中国の鉄鋼メーカーの中国河北省にあるプラントでNo.2エンドレスストリップ生産(ESP)ラインの稼働を開始しました。No. 1ラインは2021年からフル稼働しており、このNo. 2ラインは世界で9基目のESPラインとなりました。
当社とお客様の緊密で実効性の高い協力体制により、No. 2ラインの稼働開始はそのスピードと効率面で並外れたものとなりました。熱延のファーストコイルは、コールドランからわずか9週間後にエンドレスモードで生産され、厚さ0.8ミリのファーストコイルは、その後わずか50日で生産されました。
お客様がNo. 1ラインで生産するコイルはすでに市場で成功を収めていますが、お客様はこの新ラインを得て、高品位鋼板と冷延代替品となる熱延コイルの生産能力を拡大しました。当社はプロセス設備一式とオートメーションシステムのエンジニアリングおよび供給を担当しました。
高品質製品を生産
新ラインの連続鋳造・圧延プロセスは、幅1,600ミリメートル以下、厚さ0.7ミリメートル以上で、先端から尾端まで機械的・幾何学的に均一な高品質の熱延製品(炭素鋼、低合金高張力鋼(HSLA)、軟鋼)を生産します。お客様は、新ラインのエンドレス方式が生産する、表面品質と均一性に優れた熱延コイルにより、ターゲットとしている冷延コイルの代替品市場に参入します。このコイルは、熱延段階ですでに均一な結晶構造を得ており、深絞りシートなどの最高級冷延材用途の要件を満たしています。
世界で最もコンパクトな連続鋳造・圧延ライン
この革新的なESPラインは、フェライト域圧延に焦点を当てて最適化された低温圧延プロセスとレイアウトを特徴としています。仕上げ圧延機の手前にパワー冷却ユニットを設置することで冷却ラインが非常に短くなっているため、キャスターのターレットからNo.1ダウンコイラーまでの長さは前例のない約150メートルとなっています。
Arvedi ESP - 最も環境に優しい鉄鋼生産ルート
Arvedi ESPは、比類のない生産性と性能、最高級鋼板を生産する能力を持つのみではなく、カーボン
ニュートラルであることを公的に認定された唯一の薄スラブ鋳造・圧延プロセスです。ESPマスタープラントを運営するイタリアの大手鉄鋼メーカー、アルベディ製鉄所(Acciaieria Arvedi)が2022年に第三者認証機関より認定を受けました。
レイアウトの最も特徴的な点は、圧延前のスラブを再加熱するための化石燃料を使用するトンネル炉がないことです。高速鋳造プロセスは鋳造されたスラブの熱エネルギーを保ったまま直接圧延を可能にし、エネルギーを大幅に削減します。仕上げ温度の微調整は、仕上げ圧延機手前に設置された非常にコンパクトな誘導加熱装置が行います。
従来の連続鋳造・圧延工程と比較して、ESPラインのエネルギー消費量と関連コストは50%削減され、生産時のCO2直接排出量はゼロになりました。
河北省にあるプラントで、No. 2 Arvedi ESPのファーストコイルを背景にしたプライメタルズ テクノロジーズ チーム
中国の鉄鋼メーカー向けにプライメタルズテクノロジーズが建設した No. 2 Arvedi ESPライン
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は、三菱重工グループの100%出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp