ニュース&プレスリリース
ロンドン2017年12月 14日
中国の楽亭製鉄の新工場向けにスラブ連続鋳造機2基を 受注
- スラブの年間生産能力は合計 420 万トン
- 新工場向け設備投資の一環となるスラブ連鋳機によって高品質鋼を確保
- 危険作業を鋳造プラットフォーム用ロボット「リキロボ」で実施
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、中国の楽亭製鉄(HBIS Laoting Steel Co., Ltd.)から、2 ストランド(条)式スラブ連続鋳造機 2 基の新設工事を受注しました。新設される 連続鋳造プラントは、中国河北省唐山の南東にある楽亭県に建設中の高品質鋼用製鉄プラントの設備投 資の一環として計画されており、スラブの年間生産能力は 2 基合計 420 万トンで、危険作業は鋳造プラ ットフォーム用ロボット「LiquiRob(リキロボ)」によって実施されます。2 基のスラブ連鋳機の試運 転は、2019 年 2 月と 3 月に予定されています。
楽亭製鉄は、中国の大手製鉄会社で総合サービスサプライヤーでもある河北鋼鉄(HBIS)集団の傘下に あり、中国河北省唐山の製鉄所から生産能力を移転するために、2017 年に設立されました。
今回新設される 2 基の 2 ストランド(条)式スラブ連続鋳造機は、年産能力が各 210 万トン、湾曲半径 9.5 メートル、凝固完了長 35.1 メートルで、幅 900~1,900 ミリメートル、厚さ 230 ミリメートルのス ラブを毎分最大 1.8 メートルの速度で鋳造します。生産される製品は、極低炭素鋼、低炭素鋼、深絞り 鋼、構造用包晶合金鋼、鋼管用鋼の鋼種をカバーしています。
当社は、鋳型や鋳型オシレータなど中核となる構成部品に加えて、ストランドガイドシステムに使用す る「Smart Benders(スマートベンダーズ)」*1と「Smart Segments(スマートセグメンツ)」*2な ど、さらに鋳造プラットフォーム用ロボットである「LiquiRob(リキロボ)」システム2基も供給しま す。リキロボ・システム 1 基は、レードルのスライドゲートの油圧シリンダーの制御とレードル区域に おける関連付帯設備との連携を管理、もう 1 基のリキロボ・システムは、鋳造プラットフォームのレー ドル用としてレードルのロングノズルを制御し、温度測定とレードル燃焼も管理します。
2 基のスラブ連鋳機には共に、鋳型内の湯面レベル制御システム「LevCon(レブコン)」*3を搭載し た直接カセット式システム「Smart Mold(スマートモールド)」*4、ブレークアウト(湯もれ)自動検 知とプロセスデータ監視用システムである「Mold Expert(モールドエキスパート)」、鋳造中でもスラ ブ幅が変更可能なシステム「DynaWidth(ダイナウィデュス)」、鋳型オシレータ機構「DynaFlex(ダ イナフレックス)」*5、および電磁誘導式の溶鋼撹拌装置を装備します。また、ストランドガイドシス テムの各セグメント内ストランド構造はローラー支持システム「I-Star」で支持される仕組みとしてい ます。
さらに、プロセスモデルの「DynaPhase(ダイナフェイズ)」および「Dynacs 3D(ダイナックス 3D)」*6により、ストランド全長に沿った 3 次元温度分布が時々刻々と計算され、ストランド温度が 動的に制御されます。すなわち、鋳造速度、スラブ形状、生産する鋼種に応じて必要となるストランド の二次冷却設定温度と最終凝固点がダイナックス 3D によって正確に算出され、この計算値に基く 3D 軽圧下システム「Dyna Gap Soft Reduction 3D(ダイナギャップソフトリダクション 3D)」*7の制御 によって、最終凝固中に圧下ローラーの間隔を動的に調整し、スラブの内部品質を改善します。さらに 湾曲セクションとセグメントでスラブの中央と両端を冷却することで、スラブ全幅にわたって均一で最 適な冷却を実現します。
当社は、これらの主要機器・システム、電気設備およびオートメーション一式を供給するほか、鋳造プ ラットフォームおよびストランドガイドシステムの詳細エンジニアリング、メンテナンスエリアの基本 および詳細エンジニアリング、連鋳機のオートメーションおよびソフトウェアのエンジニアリングなど を担当し、据付けと試運転の指導、現場スタッフのトレーニングも実施します。
プライメタルズテクノロジーの 2 ストランド(条)式スラブ連続鋳造機
*1「Smart Benders(スマートベンダーズ)」:「Smart Mold(スマートモールド)」と連動して遠隔 でスラブ厚を制御するプライメタルズテクノロジーズ独自の技術。
*2「Smart Segments(スマートセグメンツ」:連続速度の変化に追従した鋳造用ロールの上下位置 の自動制御、軽圧下の最適化を行うプライメタルズテクノロジーズ独自の機構。
*3「LevCon(レブコン)」:鋳込み時の湯面レベルを最適化する制御システムで、モジュラー設計に より、湯面計測 装置、流量調節機構、アクチュエータが選択可能となっている。
*4「Smart Mold(スマートモールド)」:連鋳機の溶鋼入口のモールド鋳型をカセット方式として交換 を容易にしたもの。
*5 「DynaFlex(ダイナフレックス)」:鋳型を微妙に振動させることにより、連続鋳造中に移動す る鋳片と鋳型の間に生じる摩擦を軽減し、半製品であるスラブ等の表面品質を向 上させる発振器。
*6「Dynacs 3D(ダイナックス 3D)」:鋳造中の溶鋼内部の温度分布を3次元解析して冷却処理を 計算するプライメタルズテクノロジーズ独自の冷却プロセスモデル。
*7「DynaGap Soft Reduction 3D(ダイナギャップソフトリダクション 3D」:ダイナミック冷却モデ ルの目標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域にある鋳造ロールの上下位置を制御 する軽圧下システム。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業にとって、エンジニアリン グやプラント建設全般の、世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューショ ンをお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com