ロンドン2018年1月 18日

中国の南京鋼鉄向けブルーム連続鋳造機改造工事を受注

• ブルーム連鋳機にストランドを増設
• 新たに断面 320x420 ミリの形状が鋳造可能に

プライメタルズテクノロジーズ（Primetals Technologies）は、中国の南京鋼鉄（Nanjing Iron & Steel United Co., Ltd:NISCO）より、南京第 3 製鋼工場の第 8 ブルーム鋳造機の改造工事を受注しました。本 鋳造機は、当初 5 ストランド（条）式で設計されていましたが、2008 年に 3 ストランド式設備として 納入され、稼働していました。今回の改造では、断面 320x420 ミリのブルームも生産できるように 4 条 目のストランドを追設し、稼働開始は 2018 年 6 月の予定です。

南京鋼鉄は 1958 年に設立され、鉄鉱石採掘および選鉱、製鉄、製鋼、鋼材圧延、加工までをカバーし ており、年産 300 万トン以上となる主力製品の厚板及びコイルを含め、鉄鋼の年間総生産能力は 1,000 万トンにのぼります。 同社では、プライメタルズテクノロジーズが納入した計 4 台の連続鋳造機が稼働 中です。

第 8 ブルーム連鋳機は、年産能力 150 万トンの第 3 製鋼工場にあり、本連鋳機では、3 ストランドで年 間 60 万トンを生産できます。湾曲半径は 12 メートル、凝固完了長は 37.1 メートル、最高鋳造速度は 毎秒 0.6 メートルで、低炭素鋼から高炭素鋼までの鋼種および特殊合金鋼を処理し、現在は断面 320x480 ミリのブルームを鋳造しています。2008 年に稼働を開始したこの連鋳機は、当社が機器全体 の基本エンジニアリングと主要部品の詳細エンジニアリングを担当しました。

今回の改造では、鋳型の湯面レベル制御システム「LevCon（レブコン）」＊1および外装式溶鋼撹拌装 置付きの湾曲鋳型、オンラインストローク、周波数および波形パターン調整付き油圧オシレータ 「DynaFlex（ダイナフレックス）」＊2、そして、交換可能なセグメント（No.1～3）、軽圧下システム 「DynaGap Soft Reduction（ダイナギャップソフトレダクション）」＊3搭載の引抜スタンド 7 段、下方 装入システム付きでチェーンタイプのダミーバー、二次冷却モデル「DynaSpeed（ダイナスピード）」 などで構成されるストランドガイド、さらにランアウトエリアに設置されるトーチ切断、マーキング、 バリ取り、回転冷却床で、ブルーム品質管理システム「VAI-Q」、レベル 1 およびレベル 2 のオートメ ーションシステムも供給します。

プライメタルズテクノロジーズのブルーム連続鋳造機の湾曲部

*1「LevCon（レブコン）」：鋳込み時の湯面レベルを最適化する制御システムでモジュラー設計によ り、湯面計測装置、流量調節機構、アクチュエータが選択可能となっている。
*2「DynaFlex（ダイナフレックス）」：鋳型を微妙に振動させることにより、連続鋳造中に移動する鋳 片と鋳型の間に生じる摩擦を軽減し、半製品であるスラブ等の表面品質を向上させる 発振器。
*3「DynaGap Soft Reduction （ダイナギャップソフトリダクション）」：ダイナミック冷却モデルの目 標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域にある鋳造ロールの上下位置を制御する軽圧下 システム。

プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グやプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューション を含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト：www.primetals.com