ニュース&プレスリリース
ロンドン2018年7月 26日
フィンランドのオウトクンプ社向けステンレス用スラブ 連続鋳造機近代化工事を完工
- 200 mm 厚のスラブ製造が実現
- オーステナイト系ステンレス鋼の高速鋳造が可能
- 生産能力が向上
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、フィンランドのトルニオにあるオウト クンプ(Outokumpu)社向けステンレス用スラブ連続鋳造機の近代化工事を完工し、稼動が開始されま した。本プロジェクトでは、スラブの年産能力の増強と従来より厚いオーステナイト系ステンレス鋼ス ラブの高速鋳造を目的として、200 mm 厚のスラブが鋳造できるようにマシンヘッドと、湾曲部、ダミ ーバーシステムが改修されました。当社はこの工事を 2017 年の第 2 四半期に受注していました。
オウトクンプ社は世界的にも最も広範な製品ポートフォリオを持つ大手ステンレスメーカーです。同社 の製品は有名なランドマーク(構築物)を含む社会インフラに加えて家庭向けおよび各種産業向けとし て使用されてます。当社は 2002 年に電気炉、AOD 炉とともにステンレス用スラブ連鋳機の初号機を納 入しました。これまで幅 800~1650 mm、厚さ 185 mm のスラブが製造されており、世界で初めてステ ンレス用スラブ連鋳機に導入した軽圧下システム「DynaGap Soft Reduction (ダイナギャップソフトリ ダクション)」*1システムなど複数の最新技術パッケージも搭載されています。
当社は今回 200 mm 厚のスラブを鋳造できるようにマシンヘッドを改修し、生産能力も増強させました。 ストレート形状の鋳型システム「Smart Mold(スマートモールド」*2には側面のフットローラーと新設 カバーを含む新しい短辺鋳型が装備されました。湾曲部には増厚されたスラブ厚に適したシムが取り付 けられ、ダミーバーシステムも改造されました。既存の二次冷却システム「Dynacs(ダイナックス)」 *3の冷却モデルのパラメータは、新しい鋳造厚用に変更されました。将来の需要増加に対応するため、鋳型内の湯面レベルを制御する「LevCon(レブコン)」*4は 2016 年にすでに更新され、鋳片がたわむ バルジングを最小限に抑える機能が装備されています。
フィンランドのトルニオにあるオウトクンプ社のステンレス用スラブ連続鋳造機。プライメタルズテク ノロジーズが近代化を完工。
*1「DynaGap Soft Reduction (ダイナギャップソフトリダクション)」:ダイナミック冷却モデルの 目標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域にある鋳造ロールの上下位置を制御す る軽圧下システム。
*2「Smart Mold(スマートモールド)」:連鋳機の溶鋼入口のモールド鋳型をカセット方式として交換 を容易にしたもの。
*3「Dynacs 3D(ダイナックス 3D)」:鋳造中の溶鋼内部の温度分布を3次元解析して冷却処理計 算するプライメタルズテクノロジーズ独自の冷却プロセスモデル。
*4「LevCon(レブコン)」:鋳込み時の湯面レベルを最適化する制御システムで、モジュラー設計に より、湯面計測装置、流量調節機構、アクチュエータが選択可能となっている。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グ及びプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューショ ンを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は、株式会社日立製作所ならびに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメンス・グループのシーメ ンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足した三菱重工のグループ会社です。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com