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ロンドン、2021年3月 05日
ドイツ、ティッセンクルップ スティール社より、デュースブルクでの大規模改良工事およびボフムでの新設工事を受注
金属・鉄鋼産業におけるエンジニアリングおよびプラント建設の世界的リーディングカンパニーであるプライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、ティッセンクルップ スティール(thyssenkrupp Steel Europe AG、以下ティッセンクルップ社)よりデュースブルクでの鋳造 圧延ラインの改造と既存連続鋳造機の再構築、ボフムでの2スタンドリバースミル新設を受注しました。本件はティッセンクルップ社が最近投資ファンドの承認を受けて進めている、「ストラテジー20-30」に基づくプロジェクトの大部分を占めます。
ティッセンクルップ社CEO Bernhard Osburg氏談「ポートフォリオの連携効果を早期実現するため、承認された投資案件を迅速に遂行しています。この主要プロジェクトに際し、プライメタルズテクノロジーズというすばらしいパートナーを持つことを大変に喜んでいます。プライメタルズテクノロジーズからの改造と新設についての一貫性ある総合的、革新的な提案は納得のいくものでした。」
プライメタルズテクノロジーズCEO飯島悟談「私たちは、ティッセンクルップ社の積極的戦略の実現を支援することを嬉しく思います。」
プライメタルズテクノロジーズ ティッセンクルップ社担当キーアカウントマネジャーOlaf Meininghaus談「この大きな契約は、数十年にわたる両社の協力関係の新たな頂点であり、世界でもまれな規模です。」
2024年末までにすべての新設、改修工事が完了する予定です。投資額は約数百万ユーロでです。
鋳造圧延ラインの分割:生産ネットワークにおける中央インターフェースの再編成
ティッセンクルップ社の品質戦略の中心は、ブルックハウゼン工場の鋳造圧延ラインを分割し、新しい連続鋳造機と新しい主要コンポーネンツを搭載した熱間圧延機に再編成することです。既存の鋳造圧延ユニットは20年前のもので、その生産品品質は将来要求されるレベルには十分ではありません。ティッセンクルップ社COO Arnd Köfler氏談「上流工程と熱延鋼板生産工程とのインターフェースは、当社の一貫生産ネットワークの中核要素です。当社はこの部分を次世代に向けて改造します。鋳造部と圧延部を分割し、それぞれを再構築することで、高張力鋼や高級仕上げ材への対応力をさらに高めます。圧延部を分離した熱間圧延機にすることで、スラブ生産の柔軟性を高めます。」
新ユニットの大半は生産ライン稼動中に据付
生産の中断を最小限に抑えながら、新設、改修工事を行います。主要なコンポーネントの多くは事前に製造され、据付られます。また、レードルターレット のような既存のプラントコンポーネンツを新ユニットに組み込みます。既存の鋳造圧延ラインから新連鋳機への転換は2023年9月開始予定です。投資パッケージの中で最大の作業である新熱間圧延機工事は生産ライン稼働中に準備され、2023年夏の終わり頃から生産ネットワークに接続する予定です。粗圧延ラインには革新的でエネルギー効率が高く実績もあるソリューションが組み込まれ、仕上げ圧延ラインには同様に革新的な 冷却ゾーンが装備されます。また、新しい自動化およびプロセスモデルも搭載しています。統合されたプロセス最適化や施設全体の品質監視などの包括的インダストリー 4.0ソリューションは、プロジェクト全体の実行可能性を高めます。ティッセンクルップ社COO Arnd Köfler氏談「この部分を再構成することで、鋳造能力、圧延能力を増強し、品質の向上、溶解工場能力のより有効な活用を図ります。また、生産ネットワーク全体のパフォーマンスが根本から改善され、お客様への供給確保にも継続的なプラス効果がもたらされます。」
加えて、デュースブルクのベエッカーヴェルト工場では、既存の連続鋳造機No.1をNo.3と入替え、表面品質の改善を図ります。2024年の鋳造圧延ライン改造後に工事予定です。
ボフムの新しい2スタンドリバースミルで高張度鋼と電磁鋼板の生産能力が向上
当社はまた、ボフムでの2スタンドリバースミル据付も受注しました。エッセナーストラッセの工場は、今後数年の間にe-モビリティのCoEに拡張されます。冷間圧延技術に対する需要の増大を受け、より薄い高シリコン材料生産を目的としています。新しい2スタンドリバースミルは、この工場の無方向性電磁鋼板対応能力を大幅に強化し、高まる需要に応えます。 磁気 損失を最小限に抑えるために、電気モーターおよび発電機に使用するシートを薄くすることは非常に重要ですが、その薄さを前後 (リバース) 動作で実現します。ティッセンクルップ社COO Arnd Köfler氏談「ここでも『ストラテジー20-30』の各部がうまくかみ合います。新設の2スタンドリバースミル用原材料は新設熱間圧延機No.4から供給され、プロセス全工程が改善され、高張強度複合相鋼や将来の最適化された電磁鋼板の品質が向上します。」
鉄鋼「ストラテジー20-30」の一環としてポートフォリオ攻勢を投資が支援
CEO Bernard Osburg氏談 「現行措置により、鉄鋼戦略の成功に不可欠な基盤を築いています。当社は『ストラテジー20-30』」 の下で最大の投資パッケージを掲げ、中心的成長分野、重点分野のリーダーとしての地位をより確固とするため攻めの姿勢をとっています。当社の顧客は、より小さい公差、より多くの衝突安全要件、より強力な電気モーター用鋼材など、将来的にはさらに多様なよりよい製品を求めます。当社の設備投資はそのような要望に応えるためのものです。また、工事期間中もお客様にいつもの製品を届けられます。もう1つの重要なポイントは、カーボンニュートラル鋼への転換の一環として、将来的には 「環境にやさしい」 高品質の新鋼種の提供が可能になることです。」
ティッセンクルップ社の付加価値高い将来のライン。プライメタルズテクノロジーズがコアユニットを供給。
Thyssenkrupp Steelは、世界をリードするカーボンフラットスチールメーカーの1つであり、厳しい要件の最先端の用途向け革新的鉄鋼および高品質製品の代名詞です。同社は約27,000人の従業員を擁し、年間約1100万トンの粗鋼生産量を誇るドイツ最大の鋼板メーカーです。カスタマイズされた材料ソリューションから原料関連のサービスまで、幅広く提供しています。お客様とともに、当社の長年にわたる成功事例をたゆまず発展させ、様々な効率の高い産業を国内および世界市場において築いています。ティッセンクルップ社は、気候変動対策のパイオニアとして、2030年までに年間300万トンのカーボンニュートラル鋼を生産するという目標を掲げており、2050年までに全生産品を完全なカーボンニュートラル鋼にする予定です。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国・ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービスの提供を行うパイオニアかつ世界的リーダーです。当社は電機、オートメーション、デジタライゼーション、及び環境の総合ソリューションを含めた技術、製品、サービスの一式を提供しており、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野でも最新の圧延ソリューションをお届けします。当社は三菱重工およびパートナーの出資によるグループ会社で、従業員数は全世界で約7,000人です。詳しくは、下記URLより当社公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.primetals.com/jp.