ニュース&プレスリリース
ロンドン2017年12月 21日
ベトナムのフォルモサ・ハティン製鉄 に連続鋳造機 4 基 を引渡し
- 世界最大規模の新設一貫製鉄所に連鋳機を引き渡し
- スラブ連鋳機 2 基の年間生産能力は各 270 万トン
- ブルーム連鋳機の年間生産能力は 150 万トン
- ビレット連鋳機の年間生産能力は 120 万トン
- スラブ連鋳機/ブルーム連鋳機計 3 基の試運転を 3 日間で完了
プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies)は、台湾の台湾プラスティックグループ (Formosa Plastic Group)の子会社であるフォルモサ重工(Formosa Heavy Industries)から 2012 年 末に受注していたスラブ連鋳機 2 基、ブルーム連鋳機 1 基、ビレット連鋳機 1 基を、同じく同グループ の子会社であるベトナムのフォルモサ・ハティン製鉄(Formosa Ha Tinh Steel Corporation)向けとし て、ベトナム中部のブンアン経済特区に世界最大規模の新設プロジェクトとして建設された一貫製鉄所 へ納入し、計 4 基の連鋳機に対する最終検収書を 10 月と 11 月に受領しました。6 月中旬にわずか 3 日 間で試運転を完了していたスラブ連鋳機とブルーム連鋳機計 3 基は、すべてオートスタート機能とレベ ル 2 機能により完全自動モードで生産を開始。ビレット連鋳機も、溶鋼生産が所定速度に到達した 2 ヵ 月後に稼動開始しています。
2 基のスラブ連鋳機は 2 ストランド(条)式で、年間生産量は各 270 万トン、湾曲半径は 10 メートル で、低、中、高炭素鋼や包晶鋼までの鋼種を対象として板幅 900 から 1,880 ミリメートル、板厚 210 か ら 270 ミリメートルのスラブを鋳造します。本連鋳機は、ストレート形状の鋳型「SmartMold(スマー トモールド)」*1、セグメント化されたストランド、鋳型オシレーター機構「DynaFlex(ダイナフレッ クス)」*2、鋳型の湯面レベル制御システム「LevCon(レブコン)」*3、湯もれを自動検知する鋳型監 視システム「MoldExpert(モールドエキスパート)」、スラブ幅が変更可能なシステム「DynaWidth (ダイナウィデュス)」、スラブ厚の急激な変化を制御する「Smart Segments(スマートセグメン ツ)」*4など、鋳造工程を最適化しスラブの内部と表面を高品質化する一連の技術パッケージも装備。 また、冷却システム「Dynacs3D(ダイナックス 3D)」*5、 スプレー冷却システム「DynaJet(ダイナ ジェット)」*6、内部冷却型ロール「I-Star(アイスター)」*7 を併用し、柔軟性に富んだ二次冷却によ りスラブ表面の高品質化を実現します。更に、軽圧下システム「DynaGap Soft Reduction(ダイナギャ ップソフトリダクション)」*8により、ストランドの最終凝固領域の正確な判定とロールギャップの正 確な調節によりスラブの内部品質を高めます。ベーシックオートメーションとプロセスオートメーショ ンシステムも供給対象です。
ブルーム連鋳機は 6 ストランド(条)式で、年間生産量は 150 万トン、湾曲半径 14 メートルで様々な 炭素鋼や合金鋼、バネ鋼、鍛造鋼、線材用鋼、タイヤコード鋼、ベアリング鋼を対象として、断面 260×300 ミリメートル及び 360×450 ミリメートルのブルームを鋳造します。鋳型オシレーター 「DynaFlex(ダイナフレックス)」、鋳型内電磁撹拌装置「M-EMS」、軽圧下システム「DynaGap Soft Reduction(ダイナギャップソフトリダクション)」が装備されています。
ビレット連鋳機は 8 ストランド(条)方式で、年間生産量は 120 万トン、湾曲半径 9 メートルで、主に 低炭素鋼、中炭素鋼、合金鋼など様々な鋼種を対象として断面 130 ミリメートル角から 180 ミリメート ル角、最大長 12 メートルまでのビレットを鋳造可能です。チューブ状鋳型「Diamold(ダイアモール ド)」、鋳型オシレーター「DynaFlex(ダイナフレックス)」、鋳型内電磁撹拌装置「M-EMS」、最 終凝固域電磁攪拌装置「F-EMS」などが装備されています。
ビレット連鋳機とブルーム連鋳機のストランドガイドゾーンおよび矯正ゾーンには、内部冷却ローラー が装備されている一方、二次冷却ではエアミストノズルが使用されており、エンジニアリングと設備供 給、ベーシックおよびプロセスオートメションシステム、据付けおよび運転指導を担当しました。
プライメタルズテクノロジーズがベトナムのフォルモサ・ハティン製鉄に納入したス ラブ連鋳機。
*1「Smart Mold(スマートモールド)」:連鋳機の溶鋼入口のモールド鋳型をカセット方式として交換 を容易にしたもの。
*2「DynaFlex(ダイナフレックス)」:鋳型を微妙に振動させることにより、連続鋳造中に移動する鋳 片と鋳型の間に生じる摩擦を軽減し、半製品であるスラブ等の表面品質を向上させる 発振器。
*3「LevCon(レブコン)」:鋳込み時の湯面レベルを最適化する制御システムで、モジュラー設計によ り、湯面計測装置、流量調節機構、アクチュエータが選択可能となっている。
*4「Smart Segments(スマートセグメンツ)」:連続速度の変化に追従した鋳造用ロールの上下位置の 自動制御、軽圧下の最適化を行うプライメタルズテクノロジーズ独自の機構。
*5「Dynacs 3D(ダイナックス 3D)」:鋳造中の溶鋼内部の温度分布を3次元解析して冷却処理を計算 するプライメタルズテクノロジーズ独自の冷却プロセスモデル。
*6「DynaJet(ダイナジェット)」:プライメタルズテクノロジーズ独自の可動式ノズルを装備した冷却 用スプレー。
*7「I-Star(アイ-スター)」:内部水冷方式の鋳片サポートロール。
*8「DynaGap Soft Reduction 3D(ダイナギャップソフトリダクション 3D)」:ダイナミック冷却モデ ルの目標計算値を基に、鋳片の最終凝固領域にある鋳造ロールの上下位置を制御する 軽圧下システム。
プライメタルズ テクノロジーズ (Primetals Technologies, Limited)は本社を英国、ロンドンに置き、金属鉄鋼産業における、エンジニアリン グやプラント建設全般の世界的リーダーかつライフサイクル・パートナーです。当社は電機、オートメーション及び環境の総合ソリューション を含めた技術、製品、サービスの一式を提供します。鉄鋼のあらゆる分野を網羅するだけでなく、非鉄分野部門にも最新の圧延ソリューション をお届けします。当社は三菱重工グループで、株式会社日立製作所、並びに株式会社 IHI が資本参加している三菱日立製鉄機械と、シーメン ス・グループのシーメンス VAI メタルズテクノロジーズ社の統合により発足しました。出資比率は三菱日立製鉄機械が 51%、シーメンスが 49%です。従業員数は全世界で約 7,000 人。詳しくは、下記 URL より当社公式ウェブサイトをご覧ください。 公式ウェブサイト:www.primetals.com